本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

名探偵ポワロ:死人の鏡

競売所でお目当ての鏡の落札ができなかったポワロ。その鏡を落札したのはシェブニックス氏だった。

尊大な態度で、「詐欺にあった」と名刺を無理やりポワロに手渡し、屋敷に来て欲しいと告げる。渋々だったが、ヘイスティングスとともに彼の屋敷を訪れる。

しかし、夕食の時間になってもシェブニックスの姿が見えない。彼は鍵をかけた自室で死んでいた。

警察は自殺と判断したが、ポワロには気になる点があった・・・。

 

 

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流れてる曲も展開もオカルト風。

見るからに怪しい人が怪しい発言をしてたり、火事があったり爆発があったり忙しい。

 

最後、犯人が「下に降りて来い~」とか言ってたけど、あんなに声響くもんかね。

屋敷の構造とか知らないけど。

他の人は気づかないのかな。

ヴァンダにだけ聞こえてるの?

 

ポワロたちに見つかった瞬間はなんか間抜けだね。

あの瞬間はだいぶ恥ずかしいよな~。

見てるこっちも恥ずかしかったし。

 

 

「嫌われ者が被害者」のパターンの今回。

欲しかった鏡は落札できないし、シェブニックスには勝ち誇った顔されるし、解決の報酬として提示された鏡も割れちゃうし、踏んだり蹴ったりでポワロが可哀想な回でした。 

ピーナッツバター殺人事件/コリン・ホルト・ソーヤー

シリーズ第4弾。

 

ある日、線路脇で男性が死んでいるのが発見された。

被害者はどうやら<海の上のカムデン>の入居者と親交があったようで、ホームの人たちに生前の被害者の様子を聞いて欲しい。

そうマーティネス警部補に頼まれ、嬉々として聞き込みを開始するアンジェラたち。

ホームには新顔のインコ、探偵団にも新たなメンバーを加えてさらに賑やかになっていく。

老人探偵団は事件を解決できるのか?

 

 

 

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タイトルが「ピーナッツバター殺人事件」だから、ピーナッツバターに毒でも入っていたのかと思ったら全然違いました。

悪い言葉を言いたくなったときに代わりに使う言葉だったんですね。

確かに破裂音でいいかも。

 

今回はブライトン翁が探偵団に加わり、3人で事務所に乗り込んでいく。

2人だけでも見つからないか、バレないかハラハラするのに、ブライトン翁まで連れてるし、しかも夢中になっちゃってなかなか動いてくれないし、ドキドキした~。

でも数字に強いのは心強い。

新しいものも、面白かったら取り入れて楽しんでるし、まだまだ元気でいてくれそう。

 

 

名探偵ポワロ:イタリア貴族殺害事件

ミス・レモンは恋人であり、イタリア伯爵秘書のグレイブス氏をお茶に招待する。グレイブスは、伯爵が事件に巻き込まれているとポワロに打ち明ける。その後、ポワロとヘイスティングスが知人の医師と食事中に、伯爵から助けを求める電話が掛かってくる。3人が駆けつけると、伯爵は頭部を殴られ既に死んでいた。

 

 

 

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ミス・レモンに恋人ができたり、ヘイスティングスは新車を購入したり。実はこれらも事件へと繋がっていく。

 

写真に書いてあった文字を覚えていたり、ミス・レモンの敵を討ったり、後半にはカーチェイスもあってヘイスティングスが大活躍しておる。テーブルに残ってた物もキッチリ覚えてたし。

まあ、最後にはアレが待ってるけどね。

 

ミス・レモンのお相手が見栄っ張りな残念な人で、ポワロもヘイスティングスもカンカン。実は秘書ではなく召使だし、既婚者だし。何から何までウソだったのね。

ミス・レモンも最後には相手の一面を知って冷めてたけど。愛猫家にそんなとこ見せたらダメでしょ。元に戻ってよかった。

 

今回、悪党たちの関係性がイマイチよくわかってないな。

結局誰が誰を脅迫してたのか。大使館とマフィアも出てきたけど、全然頭に入ってこない。まあいいか。

 

ラストの猫を見たときのポワロの嫌そうな顔が見ものです( ̄ー ̄)

名探偵ポワロ:なぞの遺言書

ヘイスティングスとともに友人のアンドルー宅に滞在することになったポワロ。

アンドルーは遺言を書き換えようとしており、その執行人をポワロに依頼していた。友人の娘である、バイオレットに全財産を譲ることをポワロに告げる。その翌朝、彼が離れで死んでいるのが発見された。更に、10年前に書かれた遺言書も無くなっていた。

 

 

 

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ポワロとアンドルーは歯医者で一緒に親知らずを抜く、という地獄を戦った仲間だそうで。そんなんで仲間になるんですね。歯医者、昔から結構好きだったからな~。ポワロシリーズ、割と歯医者エピソード出てきますね。

 

今回は犯人は割とすぐわかったけど、登場人物の人間関係がややこしい。

10年前のエピソードから始まりますが、誰が親子で誰が夫なのか、はたまた使用人なのか大変分かりにくい。見直したら分かるかな。

今更ですが、私白人の顔を識別するのが苦手だな、と思う。

海外ドラマは好きでよく見ますが、いつも中盤くらいまで把握しきれていない人がいる。

 

犯行方法も、動機も微妙。

元看護婦だからって服の上から注射できるのかね。

相続するバイオレットと結婚するなら殺さなくていいのにね。

 

女性に学問はいらない、というのが当たり前の時代。

大学側が公式にやらないから、カンピオンが女子学生の卒業式を私的に行ってるのも、そこにポワロたちが参加しているのもイイ。印象的なシーンでした。

菜の花食堂のささやかな事件簿-きゅうりには絶好の日-/碧野圭

菜の花食堂で、月2回行われる料理教室。毎回1つの野菜をテーマに取り上げ、その野菜を使った料理を紹介している。そこで教えてくれる靖子先生は、日本のミス・マープルと評判らしい。

美味しいレシピと、ふんわり温かい日常ミステリーをどうぞ。

 

 

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・きゅうりには絶好の日

いつも駐輪場に置いてある赤い自転車の謎。

 

・ズッキーニは思い出す

父子家庭で育ち、インスタントや出来合いのものばかり食べていた牧さんが忘れていることとは。

 

・カレーは訴える

マルシェでライス抜きのドライカレーばかりが売れる理由とは。

 

・偽りのウド

料理教室で紹介した料理がある主婦のブログに載っていた。しかし、料理教室の生徒ではなさそうで・・・?

 

・ピクルスの絆

ある家の当主が入院した。先は長くないと宣告されており、当主は手提げ金庫の中に遺言書を用意していた。しかし死後、金庫を開けると中に入れたはずの遺言書が消えていた。

 

1作目が見当たらなかったので、シリーズ2作目から読んでみた。

登場人物に思い入れはないけど、途中からでも読みやすい。

今は年間通して置いてあるけど、なるべく旬の野菜を食べようと思ったし、野菜の選び方、扱い方をもっと知りたくなった。鮮度の見分け方、大事。

最後には靖子先生の過去も明らかになり、このあとも続きそうで楽しみ。

前作も読んでみよう。

 

 

名探偵ポワロ:チョコレートの箱

ポワロの警察官時代の話。淡い恋の話もあります。

 

勲章を授与されたジャップ警部と共にブリュッセルに帰ったポワロ。久しぶりにかつての同僚と会うが、市長のサン・タラールはポワロに冷たくあたる。疑問に思うジャップ警部に過去の事件について語る。

 

当時、大臣だったポール・デラールが自宅で亡くなっていた。心不全との判定で病死として片付けられたが、ある女性が声をあげ、ポワロに依頼。上司に背いて調査を開始する。

 

 

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ブローチ、前から付けてましたね。色変わってるけど。

警察官の制服を着ているポワロは、今よりもスッキリして見える。ウエストのあたりが全然違っててビックリ。何でだ。

髪も変えてるし、今と昔を行き来してるとつい見てしまう。

髭と眉は当時から変わらず、あのまま。

この時がポワロの私立探偵としての初仕事。

侵入したり物色したり、いろいろやってます。

この時からの定番スタイルなのね。

 

勲章授与式のジャップ警部が緊張しているのが面白い。まあ、ポワロのおかげですけど。

「金の枝」って、オリーブの枝なんですね。ギリシャ神話から来ているそうです。

 

駅や街並みの美しい建物、美味しそうなチョコレート、俊敏な動きのポワロ、ほろ苦い恋の話などなど、見所が盛り沢山な回で面白かった。

タルト・タタンの夢/近藤史恵

商店街にあるフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」。

カウンター7席、テーブル5つのこぢんまりとしたレストランで、気取らない、本当にフランス料理が好きな人が集まる店。

スタッフは4人。

三船忍:料理長。髪を後ろで束ね、無精ひげを生やした無口な人。

志村洋二:副料理長。高級ホテルのメインダイニングで働いていた。

金子ゆき:ソムリエ。趣味は俳句。

高築智行:ギャルソン。語り手。

料理長の三船が、客が持ち込む日常の事件や謎を鮮やかに解いていく。

 

 

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目次もメニュー風になっていてイイ。

 

・タルト・タタンの夢

常連の西田さんの婚約が決まった。ある日、婚約者の手料理を食べたら体調を崩してしまう。一体なぜ?

 

食べられないなら事前に連絡すればいいのに。それくらい出来るだろうに。出てきた料理を手もつけずに残すとか、読んでて腹がたった。

 

・ロニョン・ド・ヴォーの決意

好き嫌いの多い粕屋氏。彼の奥さんの作る料理がどうやらイマイチのようで・・・。

 

ガレット・デ・ロワの秘密

料理長の志村と奥さんの麻美さんの話。志村が昔作ったガレット・デ・ロワ。入れたはずのフェーブが消えた理由は?

 

・オッソ・イラティをめぐる不和

客の脇田の奥さんが、フランス旅行から帰って10日も経たないうちに出て行ってしまった理由とは。

 

カマンベール、美味しそう。舌なめずりしながら読んでたわ(笑) いろいろ試してみよう。

バスク地方美食クラブの話も出てきてて、この間見たばかりだから嬉しかった。

 

・理不尽な酔っぱらい

近所の甘味屋「はぎのや」の主人と友人2人の話。野球部だった3人。三年の甲子園前の合宿中に起きた不祥事。部員が酒を飲んで暴れた。しかし、合宿所には酒なんて無かった。

 

やはり甘味屋の主人。最後が素敵。

 

・ぬけがらのカスレ

エッセイストの寺門は事前に「鵞鳥のコンフィのカスレ」を所望。しかし彼女にとってそれは胸の痛みを思い出す料理だった。なぜ今になって頼んだのか。

 

・割り切れないチョコレート

ショコラティエ、鶴岡の店の詰め合わせのチョコの数は素数個。店の名前も、紙袋やラッピングのデザインも素数。なぜ、素数なのか。

 

切なくて優しい話だな~。この話が一番好きかも。 

✩✩✩✩

ゆったり気軽に入れるフレンチ(しかも家庭料理)、いいな。

近所にこんな店があったら絶対通ってる。

全編通して出てくる「ヴァン・ショー」飲みたい。

 

だいぶ前に読んだのを久しぶりに読み返したけど、ほとんど覚えてなかった。先日バスク美食クラブの映像見たときに、こんなのあるんだ~と思ったけど、既に読んでたのね・・・。ビックリした。

人が死なないミステリーなので、のんびり読みやすい。疲れた頭にちょうどいい一冊。