本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

ウィーン少年合唱団コンサート

6/7 19:00公演に行ってきました。

 

Aプログラム。

素晴らしい歌声でした。

ボーイソプラノは声変わりしたら同じ歌声はもう聴けない。期間限定だと思うと貴重な時間を過ごしてるんだな、と思いました。

綺麗な声のソーラン節、初めて聴いた(笑)

 

幕間にロビーでユニセフに募金したらモーツァルト組の写真もらえた。

 

文京シビックセンター、今回初めて行った。

後ろでも見やすいホールですね。

足元広めでありがたい。あと座面が面白い。

 

1つ残念なことは、歌ってる時に隣の人と喋ってる人。

通路はさんでたけど、普通に聞こえてるよ。

後ろの人(たぶん)に注意されても何度もやるし。

なんなんだ。癒されに行ったはずなのに。

次はBプログラムに行くけど、大丈夫だろうか・・・。

名探偵ポワロ::マースドン荘の惨劇

ホテルの主人ノートンから「事件を解決してほしい」という手紙を貰い、訪れるポワロとヘイスティングス。行ってみると実際に事件が起きたのではなく、小説の話で腹を立てりポワロ。帰ろうとするが、マースドン荘の主人マルトラバース氏が急死し、警察に連れられて事件に巻き込まれる。

 

 

 

✩✩✩✩

マースドン荘には幽霊が出るとか、妻のスーザンは幻聴が聞こえるとか、オカルト風味になってるし、殺し方もなかなかにエグい。

 

ホテルの主人との入れ違いになってる会話が面白い。

いちいち会話に入り込んでくるノートンが強烈なインパクトを残してくれています。

自分で書いてて「全員に完璧なアリバイがあって困ってる」って、どんな書き方してるんだ・・・。

 

芝とか木の緑が目が覚めるほど美しいのよね~、このドラマ。見てて楽しくなる色です。マースドン荘の本棚も羨ましい限りです。

 

自白を引き出す場面、マルトラバース氏のデスマスク作ったのね。あれが一番怖いわ。ノートンはポワロのお手伝いができて嬉しそう。孫に自慢するらしい(笑)

 

蝋人形館にポワロの人形が!でももう閉館時間。

ヘイスティングス「もう閉館らしいですよ」

ポワロ「でもぉ・・・」

って言うポワロが可愛い。

ラストに隣でポーズを取るポワロも、それをスルーするジャップ警部ヘイスティングスも、可愛い。

帽子はやっぱり斜めがイイですね。

名探偵ポワロ::スズメバチの巣

ジョン・ハリソンは自分の婚約者モリーをポワロに紹介する。紅茶占いをするが、彼女のカップには彼女のものとは別の口紅がついており、暗雲を予測する。ハリソン、モリー、友人のクロードの三角関係が気になるポワロ。事件を未然に防ごうとする。

 

 

✩✩✩✩

今回はいつもとは違ったテイストの展開。

殺人事件は起きなく、死体も出ていない。

ポワロが気付いて動いてたから、ですけど。

 

冒頭から体調がすぐれず、病院行きになるジャップ警部。妙な味のするものを食べるなよ~。結局盲腸だったようで、術後にポワロたちに事細かに説明する場面も。

そそくさと席を立つポワロ。痛い話は苦手なんですね~。モルグは平気なのに。蜂のようにブンブンいうものも苦手なようです。

 

面白い事件がないとイライラするポワロ。

「夏祭りで事件でも起きれば機嫌も治るのに」とヘイスティングスも呟きます。

ポワロは紅茶占いもできるのね。口紅の色もすぐに判別。さすが、名探偵は違います。

 

あんな近くにスズメバチがいるって、随分剣呑な庭だな。愛着が湧くものなのか?

スズメバチに刺された時って、あれだけで済むんでしたっけ?死ぬやつだと思ってたけど。虫刺されの跡がプチっとできてるだけで(痛みはあるらしいけど)、薬もヨードチンキでいいらしい。

イギリスのものとは違うのか。

今回もヘイスティングスの時間稼ぎがあり、ヒヤヒヤします。

ヨードチンキの緑の小瓶がきれいだった。

 

主治医の杖の持ち手が髑髏って。あれ、カッコイイ。

カメラで撮ったのと写真に写ってるので向きが違うけどね。

 

ミス・レモンはフィットネスに通ってるのね。

ポワロも勧められるけど、「ポワロの体型は今が絶頂期」らしい。

 

いつもと違って事件を未然に防ぐパターンの今回。

探偵としても、事件が起きる前に防げるのは嬉しいでしょうね。

 

暴かれたとき、罪を犯そうとしていた人が見せた安堵の表情が印象的でした。

美しい庭で、たまに友人と過ごしながら静かに最期を待つんだろうな、と思わせる少し切ないラストでした。

シャーロック・ホームズの冒険:海軍条約事件

ワトソンの旧友である外務省の書記官パーシイは伯父でもある外相に命令され、秘密条約のコピーを取っていた。しかし、少し部屋を離れた隙に、その書き写し中の条約が何者かによって盗まれてしまう。

 

 

✩✩✩✩

手書きでコピー取るのも大変だな~。フランス語らしいし。

そりゃコーヒーも欲しくなるだろうけど、大事な書類を机上に出したまま、階下にコーヒーを頼みに行くって・・・。あんなに言われたのにねぇ。ダメでしょ。

 

この時代の調度品も見てて楽しい。

電話はまだ無いのよね。電信技術が出てきたころですね。

呼び出しベルの裏側を見てみたい。裏でどう繋がってるんだろう。「あれはあなたの部屋ですよ」って、部屋ごとにどうやって判別してるのか。

 

ホームズさんはポワロさんとは違って、かなりアクティブ。

部屋の中に走り込んできて、ずさーっとスライド。そのままパーシイの婚約者の前にある椅子に座って話を聞き始めるところとか面白かった。

地面に直接座ったり、藁にまみれたり、手がかりを見つけるためには何でもする。本当に正反対。本や書類も散乱してるしね。

 

最後の犯人確保のところ。

「俳優さん本人」ではなく、「壁に映った影」で一部始終を映してるのが面白いですね。取り消した条約の返し方もお茶目さん。

旅のお供に殺人を/コリン・ホルト・ソーヤー

シリーズ第8弾(最終巻)。

 

入居者向けの娯楽活動がつまらなくなり、不満が噴出したため話し合いをすることに。その結果、アンジェラ発案のスペイン語講座が始まり、「生きたスペイン語を学ぶため」メキシコへのバス旅行を敢行。

しかし、その旅行の初日に新入りのミス・ブレインツリーが突然死。

おなじみの2人、アンジェラとキャレドニアが今回は異国の地で大暴れ。

 

 

✩✩✩✩

年齢と体のことを考えて、メキシコへの短期旅行を3回に分けて敢行。

殺人が起こっても、全日程を予定通り実施するところもこのシリーズならでは。

「老人ホームで生活してると、死は身近なもの。次は自分かもしれない。だから友人が亡くなったからといって、やりたいことを止めないし、延期もしない」とのキャレドニアの言葉に「なるほどな」と思った。

普段からこういう気持ちで行動しようとも思った。

明日死ぬかも知れないのは年齢関係ないし。

急に面倒臭くなって止めちゃうときあるしな~。

 

最終回にふさわしく、ハラハラドキドキ、スピード感に溢れたラストで楽しめました。特にアンジェラが大活躍。

 

大好きなアンジェラとキャレドニア、カムデンの仲間たち、マーティネス警部補とちびすけスワンソンにもう会えないと思うと寂しいな。

私も老後は「海の上のカムデン」のような老人ホームに入りたいな~。シュミットさんの料理も食べたい。

 

 

 

名探偵ポワロ:プリマス行き急行列車

オーストラリアの百万長者の娘フローレンスは、お金を借りに来た夫ルパートを追い返す。その後、以前父親に仲を引き裂かれたロシュフォール伯爵と再会し、旅行の際に会う約束をするが、フローレンスの遺体がコンパートメントの座席の下で発見される。彼女が持っていた宝石箱も消えていた。

 

 

✩✩✩✩

今回は珍しく、登場人物が少なめですね。

いつも誰が誰だか分からなくなるくらい出てくるけど。

 

ミス・レモンの書類も、新聞をきれいに並べているのも、ポワロに絶賛されておる。

 

浪費の末にお金を無心に来て、「君がそんなに冷たい女だとは思わなかった」って・・・。意味わからん。

 

ヘイスティングスジャップ警部に挟まれ、両側からそれぞれの推理を聞かされるポワロ。でもどちらも間違いで、真犯人は宝石屋のマッケンジー。共犯者がフローレンスのメイド。

本人になりすますなら、フローレンスのコートを着れる人だし、そもそも女性がメイド以外に出てこないから分かりやすいですね。

雇ってたメイドが共犯者とか、お父さんもさぞかしショックだろうな。

 

謎解きのシーンでのポワロの殺害方法の描写が生々しい。

「あばらの間にナイフを刺して抉る」

・・・痛い。

 

最後、父親からのお礼の手紙の内容も重い雰囲気が漂っている今回。オーストラリアに帰っちゃうし(まあ、当然か)。珍しくいつものコミカルな部分があまり無くて、じっとりと重く、しんみりするラストでした。

シラノ・ド・ベルジュラック/ロスタン

光文社古典新訳文庫版。

 

ガスコン青年隊のシラノは剣豪にして詩人、優しくて強い軍人だが、ただ一つ醜くて大きな鼻がコンプレックスだった。そのため、ずっと恋心を抱いていた従妹のロクサーヌに想いを打ち明けることができずにいた。

ある日、芝居で見かけたクリスチャンに一目惚れしたロクサーヌは、シラノに協力を依頼する。

言葉の美しい人が好きなロクサーヌ。しかしクリスチャンは、見た目は美男子だが文才はなかった。そこでシラノは自分の言葉とクリスチャンの見た目の美しさ、2人でロクサーヌに想いを伝えようと申し出る。

 

 

✩✩✩✩

割台詞の文体が慣れるまでは読みにくいけど、慣れたらテンポよく読めた(たまに読み飛ばすけど)。

内容は古典だけど、今読んでも充分に面白い。

 

ロクサーヌ、文才のある人が好きな割に、話したこともないのに「髪が美しいから、言葉もきっと美しい」とか、ちょっとよく分からない。

言動がお嬢さまで、自分の周りに居たら振り回されて大変そう。

 

読んだあと、世界観に引き込まれてしばらく現実の世界に戻ってこれなかった。ここまで戻れなかったのは初めて。時代も17世紀のフランスだし、セリフ回しが粋。

心はイケメンのシラノの恋が哀しいというか、切ないラスト。最期までかっこよかったです。

これぞ純愛!という1冊。

 

あとがきが約80ページあることにビックリした。

注釈1つに1-2ページ割いてるものもあって、だいぶボリューミー。注釈に力を入れた感じ。後半場面ずれてるけど大丈夫だろうか(4刷ね)。

あとがきの中でネタバレしている箇所があるので、初めての方はお気をつけて(「この場面の伏線」とか普通に書いてる)。

わざわざ書かなくても自力でここに戻ってこれるのにな~。馬鹿にされてるんだろうか。