本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

スープ屋しずくの謎解き朝ごはん~想いを伝えるシチュー~/友井羊

シリーズ3作目。

「スープ屋しずく」店主の麻野さんが、食材や調理道具の特性も絡めて客が持ち込む謎を解してくれる。

ゆったり優しくて癒されます。

美味しいスープと少しの謎。

読んでるうちにお腹が空いて困る・・・。

 

タイトルにもあるシチュー。

理恵たちも議論していましたが、うちはウインナー入れます。

豚肉も鶏肉もあったけど、一番多かったのはウインナー。

パリッ、ジュワッとしてて大好き!

 

クリームシチューって海外由来かと思ってたけど、日本料理なんですね。

クレアおばさんって誰?」って感じですね(笑)

身近なものでも知らないことがまだまだありそうです。

知らない野菜もまだまだあるし。

 

このシリーズ、毎回美味しいスープが飲みたくなります。

寒くなったし、大きめに切った野菜をじっくりコトコト煮てみよう。

ほっくほくのジャガイモもいいな。

 

色んなお店を巡ってスープを飲み歩くのも楽しいかもしれない。

スープハント、やってみようかな。

 

 

天才の証明/中田敦彦

「しくじり偉人伝」の授業が面白くて。何を発言しても全部肯定してくれるから、聞いてて安心感があるんだよね。また聞きたくなる。ずっと「すごいプレゼン力だな~」と思いながら聞いていたので購入。

 

アドバイスの内容が「こういう生活習慣を取り入れた方がいい」とか「○○はやめた方がいい」とかではなく、「自分を変える必要はない」と言ってくれるのでポジティブになれる。

 

習慣を変えることは、今までその時間にやってたことを止めるってことでもあるから、結構大変。結局今まで通りになっちゃったりするし。

そうではなくて、見方や考え方を教えてくれる。

 

自分のよさに自分では気づけない。自分ではマイナスだと思ってることも、武器になる。

これを聞いたら人に会いに行きたくなるし、ちょっとワクワクしてきますね。

 

人に何て言われたかな~って考えてたら、思い当たったのが通知表。

「大人しいけど、自分の意見がある。好き嫌いがはっきりしてる」ってよく書かれてたな。

 

そういえば、だいぶ前にグッドポイント診断も受けてた(所要時間:約30分)。

5つの強みがわかります。

グッドポイント診断 | 転職なら【リクナビNEXT】

私の場合、最初に上がってきたのは「親密性」。

 

磨くのは「周りを見る力」「変化に気付く力」かな。

まずはここから始めてみよう。

 

仕事などで迷いが生じた時に読みたくなる一冊です。

 

 

最愛台湾ごはん 春菜的台湾好吃案内/池澤春菜

文面からも写真からも台湾への愛が伝わってくる・・・

というか、溢れ出てる。

著者の台湾への渡航歴は、なんと40回以上!

そろそろ50回らしい。

自身の足で、舌で見つけた本当に美味しいお店だけを紹介している台湾の案内本です。

 

初めてお姿を拝見したのがNHKフランス語会話で、文章を読んだのもその時。

テキストの中のコラムが最初でした。

友達に語りかけるような文章が読んでて楽しくて、一緒に旅行している気分。

文章もするする頭に入ってきます。

だからこの人の本、文章が読みたくなるんだよな~。

 

ということで今回も購入。

行きたいお店も食べたいものもザクザク出てくる。

「笑っちゃうほど美味しいおかず」とか言われたら、これはもう行くしかない!

気になりすぎるでしょ。

他にも美味しそうな写真がいっぱいで、読んでるうちにどんどんお腹が空いてくる。

危険で甘美な本。

「一人でも大丈夫」「四人以上推奨」と推奨人数を書いてくれているので助かります。

 

マンゴーとお茶が気になります。あと、グアバジュース。

「味や香りで心の中に景色を描く」という言葉が素敵だなと思った。

そういえば、「香りで記憶が呼び覚まされる」というような本を最近立て続けに読んだばかりだ。

 

載せきれないお店もいっぱいあるようで、それも楽しみにしていよう。

 

無料アプリ「COCOAR2」をインストールして本のページにかざすと、お店の地図がGoogleマップで見れるのも旅行の際にはありがたい。

巻末には台湾料理のレシピや、台湾旅行で役に立つアプリ一覧もあります。

台湾旅行のお供におすすめの一冊です。

 

 

グラナダ・ホームズ:入院患者

才能があるが、若く貧しい医師、トレヴェリアンは条件付きで開業資金を援助してもらっていた。同時に、健康に不安を抱えるブレッシントンは入院患者として同居することになる。医院は成功していたが、ある日を境にブレッシントンが何かに怯えるようになり、錯乱状態になってしまう。トレヴェリアンは、自分では治められないとホームズに相談する。

 

 

✩✩✩✩

書類が散乱している床に寝そべって探してるの、可愛い(笑)

ドラマの中で見てる分には、ね。

せっかくハドソンさんが片付けたのに・・・。

事件のことだけに集中していてそれ以外のことは目に入らないんでしょうね。

 

診察室(に限らず全体的に、だけど)が豪華すぎる。

屏風とかも置いてあって、オリエンタルな雰囲気。

作品中にでてくる調度品は見ていて楽しいです。

家具の艶も、食器の装飾も美しくてワクワクします。

被害者の私室、ベッドの足元に置いてあったチェストも色鮮やかで華やか。

 

セリフもなく、部屋中回って手がかりを探している寝室の捜査場面は、見ているこちらも何となく息を詰めてしまいますね。

手際の良さ、仕草の美しさに見入ってしまいます。

 

人が亡くなった部屋でお茶とは、なんとも優雅ですね~。

今回のは遠慮したいですけど・・・。

 

 

【メモ】

resident:居住者、宿泊客、福祉施設の入居者

re-:後ろに、-sid:座る、-ent :人

逆は「前に座る人」で"president"

「大統領」ですね。

名探偵ポワロ:ヘラクレスの難行

凶悪犯マラスコーを捕獲するため、警察がある邸宅のパーティでおとり捜査が仕掛けるが、令嬢がポワロの目の前で無残にも殺され、宝石も奪われてしまう。彼女の身の安全を保証していたポワロは、自責の念にかられ仕事ができない。ある青年の恋人を探すためアルプス山中のホテルを訪れるポワロ。そこに、マラスコーがいるとの情報が入ってくるが、下界とをつなぐケーブルカーが雪崩で埋まってしまい孤立する。

 

 

✩✩✩✩

ホテルのテラスから見えるアルプスの山と青い空は絶景ですね。美しかったです。ホテルも装飾が美しいホテルでした。特に壁と部屋のドアが。ずっと眺めてられる。

ホテルのフロント係の「施設をご利用ください。サウナとか」の言葉に断固として拒否するポワロさんには、ちょっと笑ってしまいました。

ラストに向けて重い雰囲気で進んでいきますが、こういうシーンを見ると安心します。最後の若い恋人たちの再会シーンもね。

 

クレイトン嬢役の人、シドニー・チェンバースのアマンダ(モーヴェン・クリスティ)だ~。母娘じゃなくて姉妹だったのか。

今回のロサコフ伯爵夫人は「二重の手がかり」で演じた方とは別の方。だけど、女性陣はみんな存在感がありますね。

 

みんな悪人顔だな~と思ってたら、あっちもこっちも本当にみんな犯罪者。

ロサコフ伯爵夫人の娘、アリス・カニンガムは言葉で相手の心を抉る手段を心得てる人。犯罪心理を研究しているとあって、ポワロのことも揺さぶってきます。いつもは自信家なポワロも苦悶の表情。

 

「娘を見逃して欲しい」とのロサコフ伯爵夫人の願いを聞き入れず、アリスを警察に引き渡すポワロ。伯爵夫人はまだ足を洗ってはいなかったけど、窃盗と殺人は違うからね、許容できない。自分の信念を貫き、かつて愛した人と決別。この辺が最終話のポワロの決断に向けての伏線でしょうね。

グラナダ・ホームズ:ショスコム荘

名馬ショスコム・プリンスのオーナー、サー・ロバートの周辺では、レースを前に不審な出来事が続いていた。借金の返済を迫っていたブルーワーの失踪、姉とは絶縁状態、炉の中からは人骨が出てきた。そのため、調教師がホームズの元へ相談に訪れる。

 

✩✩✩✩

ワトソン、軍人年金の半分を競馬に使ってるのかΣ(´∀`;)

 

調査に向かった先でワトソンに馬車を止めさせて、「ひき殺されるところだった」と怒るワトソンに「実験は大成功だった」と意に介さないホームズ。

ちょっとは気にしようよ(笑)

 

屋敷に向かい、調教師に話を聞く。「鍵をお貸し頂けないですか」「何のためです?」「入るためです」って・・・。

そりゃそうだ。ここのやり取り、好きです(*´ω`*)

 

ワトソンが執事を引きつけている間にホームズは地下室や屋敷の調査。

捜査とはいえ、レディ・ベアトリスの寝室に入って、化粧品やブラシや天蓋の匂いを嗅いで回ったり、ちょっとストーカーっぽい。

必要なことなんだろうけど。

ところで顕微鏡は持って行ったんだろうか。借りたのかな。

 

事件も解決し、新聞記事にはプリンス号の優勝のニュースが。

ワトソンは20ギニー勝ったんですね。

まさかのハドソンさんまで(笑)

お祝いにシャンパンを持ってきてくれました。

これにはホームズも呆れ顔。

仲がよさそうで見ていても楽しいです(´▽`)

 

欲望という名の電車/テネシー・ウィリアムズ

欲望という名の電車に乗って降り立ったのは、ニューオーリンズのフレンチ・クオーター。没落した大農園の娘ブランチがここに来たのは、結婚した妹ステラの元に身を寄せるためだった。

妹夫婦と生活していく中でだんだんブランチの嘘が暴かれ、やがて精神に異常をきたす。

 

✩✩✩✩

当時のアメリカの生活の生々しさとか息遣いは感じたけど、出てくる人たちが何かことごとく不愉快だった。

すぐ手が出たり、仲間を連れてきて真夜中までカードゲームに興じるのも、言動も。

 

ブランチの言動はわかるんだけどね。

過去に辛い体験があって、家も財産も失って、職も追われて。

現実だけ見てたら自分で立っていられないんだろうな、とは思う。

現実と幻想が入り混じるブランチが壊れていく様が印象的だった。

 

妹のステラは姉と違って適応力があるのかな。

裕福な生活でなくても、相手が物に当り散らす人でも環境に合わせて変えていける人。

でも、二つの世界の架け橋になることはできなかった。

ステラも彼女の周りにいる人たちも、誰もブランチを救えなかった。

 

救いはない。でもラストが気になって読み進める。

私はブランチ寄りで読んでたな。

 

戯曲なんだよね、これ。

映画にもなってるみたいだし、見てみたいと思って

とりあえず映画を探すつもりで検索したら出てきた。

舞台が。

来月、12月にシアターコクーンでやるらしい。

www.bunkamura.co.jp

ということで、ポチっと購入。

ブランチの狂気を生で体感できる。

楽しみです(^o^)