本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

名探偵ポワロ:プリマス行き急行列車

オーストラリアの百万長者の娘フローレンスは、お金を借りに来た夫ルパートを追い返す。その後、以前父親に仲を引き裂かれたロシュフォール伯爵と再会し、旅行の際に会う約束をするが、フローレンスの遺体がコンパートメントの座席の下で発見される。彼女が持っていた宝石箱も消えていた。

 

 

✩✩✩✩

今回は珍しく、登場人物が少なめですね。

いつも誰が誰だか分からなくなるくらい出てくるけど。

 

ミス・レモンの書類も、新聞をきれいに並べているのも、ポワロに絶賛されておる。

 

浪費の末にお金を無心に来て、「君がそんなに冷たい女だとは思わなかった」って・・・。意味わからん。

 

ヘイスティングスジャップ警部に挟まれ、両側からそれぞれの推理を聞かされるポワロ。でもどちらも間違いで、真犯人は宝石屋のマッケンジー。共犯者がフローレンスのメイド。

本人になりすますなら、フローレンスのコートを着れる人だし、そもそも女性がメイド以外に出てこないから分かりやすいですね。

雇ってたメイドが共犯者とか、お父さんもさぞかしショックだろうな。

 

謎解きのシーンでのポワロの殺害方法の描写が生々しい。

「あばらの間にナイフを刺して抉る」

・・・痛い。

 

最後、父親からのお礼の手紙の内容も重い雰囲気が漂っている今回。オーストラリアに帰っちゃうし(まあ、当然か)。珍しくいつものコミカルな部分があまり無くて、じっとりと重く、しんみりするラストでした。