本を片手に

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名探偵ポワロ:愛国殺人

ポワロは苦手な歯医者に通っていた。治療が終わり帰るが、ジャップ警部に呼ばれ再び歯医者へ。歯科医のモーリーが死んでいたのだ。状況から警察は自殺と断定。しかし、ポワロは疑念を抱く。

 

 

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1925年のインドから始まり、12年後の37年イギリスへと移っていきます。

冒頭のシェークスピアの「から騒ぎ」とマザーグースの歌が事件の鍵ですね。

英語のタイトルも歌の一節になっています。

しかし、童謡が子供の声でスローで流れると怖いですね。映像もセピアだし。

 

ミス・レモンとヘイスティングスは今回はお休み。お間抜け要素がなくてちょっと寂しい。その代わりにジャップ警部の自宅が見れます。仕事してないときはただの「近所のおじさん」でした。

 

歯医者から出てきたポワロは、とりあえずの治療が終わってニンマリ。かなりのストレスになってるんですね。歯医者楽しいのに。この歯医者、待合室の調度品がすごいし。こんな待合室だったらテンション上がって仕方ない。

 

今回ポワロが気になったのが靴とストッキング。安価なものだったようで、見ただけで材質、値段まで当てておりました。お洒落な男性は女性の装飾品にも詳しいのでしょうか。ポワロが特殊なのか。

 

事件は二重に巡らされたトリック、入れ替わりでややこしい。時系列が次々と流れていく映像よりも、文字で読んだほうが分かりやすいのかも。

ラストシーンではポワロが犯人に怒りをぶつけます。「殺人者は絶対に許さない」という、ポワロの芯の部分が前面に出ているシーンです。

 

邦題は、関係者を集めて解明したときの犯人の最後のセリフからですね。原題の方が好きですが・・・。翻訳は大変ですね。