本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

名探偵ポワロ:五匹の子豚

ルーシー・クレールという女性から依頼を受けたポワロ。依頼内容は、14年前に母親が夫を殺した罪で絞首刑になったが、彼女は無実だと言う。それを証明して欲しいとのことだった。当時の関係者に会い、真実を導き出していく。

 

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映像も女性陣も、美しい。

実験室が割と好き。

 

1つの出来事を関係者それぞれの視点から見た映像で表現していて、少しづつ詳細が分かっていくのが面白い。誰に何が見えていて、何が見えていないのか。

登場人物がカメラ(語り手)に向かって語りかけてきたりして、語り手と同じ目線で当時を見れる、追体験している感覚になれます。

たまに映像がブレッブレで気持ち悪くなるけど。

 

若い時の、おかっぱ頭のエルサが美しいですね。

目力の強さ、自信、無邪気さ、硬い表情・・・思わず目が行ってしまう。

派手な顔立ちで惹きつけられる人です。

あの緊迫した雰囲気の女性陣の中には居たくないけど。

 

愛する人を殺して、罪を妻に擦り付けるように画策したけど(そして本当にそうなったけど)、結局何年経っても、あの家族の強い絆は壊せていなかった。

キャロラインの声で読まれる手紙は切ないですね。

すべて納得して最期は穏やかにいられただろう、と思えることが唯一の救いかな。

 哀しさと、優しさ、美しさが入り混じった話でした。

 

アミアスの絵は結局出てこないのね。傑作だそうで、すごく気になります。