本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

あずかりやさん/大山淳子

本屋に行ったら話題書のコーナーに陳列されていて、ジャケ買い

でも、私が手にしたのは本来の表紙ではなく、ある本屋さんが多くの人に読んでもらいたいという思いから作ったカバーだったんですね。

 

語り手が幽霊の話は読んだことがあるけど(「東京バンドワゴン」シリーズ)、これは店にある物が語り手という斬新なスタイル。ちょっとビックリしたけど、面白かった。

暖簾や自転車、猫の視点からだったり、過去に来た客が再訪した視点からだったりで、商店街にある「あずかりやさん」での出来事を語っていく。

 

商店街にある、1日100円でなんでも預かってくれる「あずかりやさん」。

ここの店主は幼い頃から目が見えない。必要なことだけ聞いて、それ以上は詮索してこない。どんなものを預けても。

 

ここに預けたら、少し心が軽くなるような気がする。

少し切なくて、だけどふんわり優しい短編集でした。

私だったら何を預けるかな。