本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

欲望という名の電車/テネシー・ウィリアムズ

欲望という名の電車に乗って降り立ったのは、ニューオーリンズのフレンチ・クオーター。没落した大農園の娘ブランチがここに来たのは、結婚した妹ステラの元に身を寄せるためだった。

妹夫婦と生活していく中でだんだんブランチの嘘が暴かれ、やがて精神に異常をきたす。

 

✩✩✩✩

当時のアメリカの生活の生々しさとか息遣いは感じたけど、出てくる人たちが何かことごとく不愉快だった。

すぐ手が出たり、仲間を連れてきて真夜中までカードゲームに興じるのも、言動も。

 

ブランチの言動はわかるんだけどね。

過去に辛い体験があって、家も財産も失って、職も追われて。

現実だけ見てたら自分で立っていられないんだろうな、とは思う。

現実と幻想が入り混じるブランチが壊れていく様が印象的だった。

 

妹のステラは姉と違って適応力があるのかな。

裕福な生活でなくても、相手が物に当り散らす人でも環境に合わせて変えていける人。

でも、二つの世界の架け橋になることはできなかった。

ステラも彼女の周りにいる人たちも、誰もブランチを救えなかった。

 

救いはない。でもラストが気になって読み進める。

私はブランチ寄りで読んでたな。

 

戯曲なんだよね、これ。

映画にもなってるみたいだし、見てみたいと思って

とりあえず映画を探すつもりで検索したら出てきた。

舞台が。

来月、12月にシアターコクーンでやるらしい。

www.bunkamura.co.jp

ということで、ポチっと購入。

ブランチの狂気を生で体感できる。

楽しみです(^o^)