本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

グラナダ・ホームズ:まだらの紐

早朝、ホームズの元へ怯えた女性ヘレンが訪ねてくる。母親の遺産を相続する彼女。しかし、結婚直前になって不可解な死を遂げた姉と同じ目に遭うのでは、と怯えていた。養父ロイロットにも内緒にしてベイカー街へ来ていた。

 

 

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真相を探るため、依頼者の姉の事件を調べることに。

 

養父が留守にしている間に二人でヘレンの屋敷を訪れます。

養父は豹とヒヒをペットとして庭で放し飼いにしているようで、何かありそうな人です。まあ、ヘレンが帰った直後にホームズの事務所を訪れて依頼内容を聞きたがる時点で怪しいですが・・・。

 

ヘレンの寝室、ロイロットの寝室を順に調べていきます。

この時代、通風孔って最新の設備だったんですね。でも、繋がってるのは外ではなく、隣のロイロットの部屋。

 

見て回っているうちに、だんだん事件の全体像が見えてきた様子のホームズ。ヘレンにこれからするべき事を指示して、屋敷の一角にある狩猟小屋で待機。ヘレンの合図でヘレンの寝室へ入り待ち構えます。ここからラストまで、緊張感が続きますね。息を殺して待機するホームズたち。見ているこちらも息を詰めてしまいます。

ここの撃退シーン、本編では直接的に描かれていませんが、エンドロールで流れています。これが素晴らしかったです!ビックリしましたよ。

 

そういえば、姉の死が不可解だって言ってたけど、噛まれた跡って残らないんですかね。

名探偵ポワロ:盗まれたロイヤル・ルビー

女性と食事中に、貴重なルビーを盗まれたというエジプト王子。ポワロに捜査を依頼する。王子の無礼な態度に腹を立てつつも、捜査のためレイシー大佐の屋敷に出向く。思わぬところからルビーを取り戻したポワロだが、それだけでは終わらず、ついには殺人事件まで起きてしまう。

 

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今回はちびっこ探偵団と一緒です。

 

一人静かなクリスマスを過ごそうと、美味しそうなチョコレートを手に入れウキウキで店を出たところを、外務省の偉い人に拉致され、アホな王子の(本当にアホだったよ)後始末を任されるポワロさん。しかも国益に関わるらしい。

この王子がまた傲慢で無礼で。もう、お疲れ様です・・・。

 

割と堂々とテーブル回して人のコーヒー飲んでたけど、ポワロ結構酷いな(笑)

毒じゃないからまあ、いいか。

 

子供たちがポワロを騙そうとした殺人劇は、さらにポワロが子供たちを手玉に取って犯人確保。子供たちへのクリスマスプレゼントでもあるんでしょうね。優しいおじさんだな~。きっと忘れられないクリスマスになったと思います。

 

今回はポワロさんの寝方が可愛かった~。

両手をちょこんと掛け布団の端に乗せてるのが(・∀・)

しかし、懐中電灯の光、顔に当て過ぎじゃないか・・・?探すの下手だな~。見ててドキドキしたよ。

グラナダ・ホームズ:美しき自転車乗り

ピアノを教えているバイオレット。彼女の元に消息が分からなくなっている伯父の死が伝えられる。伝えたのは伯父の知人のカラザースとウッドレー。バイオレットはカラザースの娘の家庭教師となるが、自転車で駅から邸へ行き来する際に何者かに付けられていた。

 

 

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冒頭、二人で何やら実験しています。そこに依頼者が。

話を聞く前に依頼者を見て2人の推理が始まります。

靴の減り方で自転車乗りって言ってたけど、ロングスカートでは・・・?まあ、いいか。

 

忙しいホームズに代わって、ワトソンが現地調査へ。

しかし、バイオレットに聞いて既に知っている事実を裏付けただけで、新しい情報は無くホームズに責められる。ワトソン、大失態(>_<)

 

何者かに狙われているバイオレットが屋敷を去る日、不安を感じたホームズとワトソンは現地に向かいます。そこで二人が見たものは、空の馬車。どうやら誘拐されたらしい。それを見たホームズ、「ワトソン、止めろ」って。ムチャ振り~。強引です。

 

バイオレットに猿ぐつわをして、無理矢理結婚式を執り行おうとしているウッドレー。普通に無効でしょ、としか思えないけど。

 

変装して後をつけてたのはカラザース。バイオレットと結婚したがっているウッドレーから「守るためにつけてた」って・・・。それも一定の距離を保って。

いやいや、目的も、無事でいられるかも分からなくて怖いから。しかもホームズの元に駆け込まれてるし。

 

遺産目当ての二人が逮捕されて、伯父の遺産も取り戻してハッピーエンドです。

 

一件落着して実験を再開すると、煙が・・・。ワトソン、煙でモクモクの部屋の中に引きずりこまれて説明されるのか。お疲れ様です、本当に。

消防馬車、来るのけっこう早かったね。

 

【メモ】

solitary:ひとりの、孤独な、寂しい

名探偵ポワロ:エッジウェア卿の死

引退を撤回し、ロンドンで仕事を再開したポワロ。ミス・レモン、ヘイスティングスジャップ警部と再会を祝う。ヘイスティングスとあるショーを見に行くと、女優のジェーンから別居中の夫との離婚交渉を依頼される。ポワロがエッジウェア卿の元へ行くと、既に離婚に承諾する旨の手紙を出したという。しかし、ジェーンは手紙を受け取っていない。その後、エッジウェア卿の刺殺体が発見される。

 

 

 

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アーケードの中の宝石店や帽子屋とか、ジェーンの屋敷とかテンション上がりますね。眺めているだけで時間が潰せそう。楽しいです。

 

ヘイスティングスと行ったショーは物真似ショーなんですね。モノマネ女優のカーロッタ、ポワロの真似まで(笑)

代わりに晩餐会に行ってもらったらバレるんじゃないかと思ったけど、意外とそうでもなさそう。

一緒に並んだら分からないけど、別々に見たら結構似てる。自分の腕をかけて演じてるし、場面が次々に変わっていくと見分けが付かなかったです。

晩餐会もロウソクの灯りだけで薄暗いみたいだし(画面で見ると明るいけど)。電話で確認もしてるし、大丈夫そう。

 

途中、5つの疑問点を順に上げてくれて分かりやすかった。疑問に対する答えを出せたわけではないですが。

5つ目の疑問を聞いたあと、

ヘイスティングス「1つ目の疑問は何でしたっけ?」

って・・・ヽ(`Д´)ノ

ちょっと黙ってて。

 

4人揃ってのポワロの夕食会、メニューが美味しそう~。映像で見るときは食事のマナーとかも見れて楽しいです。アフタードリンクは別室が基本なんですね。

そういえば欧米のテーブルマナーについて教わったことないな。もう少し調べてみよう。いい加減、どこかで困りそうな気がする。

 

動機について。

カトリック教徒だと離婚した女性とは結婚できないんですね。だから離婚じゃダメで、死別にしたかった、と。なるほど。この辺、知らないと難しいですね~。

 

本読んだりドラマや映画見たりしてると、知らないことが多いと感じることがよくある。

調べることが多すぎて全然追いついてないな・・・。

グラナダ・ホームズ:曲がった男

マローズ連隊の連隊長、バークレー大佐が鍵の掛かった部屋から死体で発見された。その傍らには気を失った夫人が倒れていた。しかも、直前には大佐と口論になっていた。そのため、夫人に嫌疑がかかる。スキャンダルを恐れたマーフィ少佐は調査を依頼する。

 

 

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屋敷に着いてメイドや執事に話を聞くホームズたち。テーブルの上に置いてある本棚がカッコイイ。使いやすいかどうかは別として。

 

話を総合すると、どうやら3人目が部屋にいたらしい。

3人目の足跡を追って窓から外に出るホームズ。どう見ても残ってなさそうですが、そんなことはどうでもいいですかね。

綺麗な庭は見てて楽しいですね。日本では「芝があった痕跡」になってるところが多い気がする。

部屋に戻り、第三者が動物を連れていたと推理。足跡から体長、種類を特定できるとは・・・。

 

大佐の死の直前にしていた口論の内容も推理していきます。

現場にいた第三者ヘンリーのことも突き止め、30年前のインド時代の話を聞きます。

ここの話が重く酷い話だった。夫人が30年も大佐に騙されてたことに気づいたら、口論にもなるでしょうね。

 

口論の中に出てきた「デイビッド」は旧約聖書ダビデ王のこと。同じことをしていた大佐に罵倒の意味で使ったんですね。この聖書の話を、さも知っていたかのように振舞うホームズ。実は彼も直前に聖書を調べていたんですが、ここの二人の会話が楽しいです。

 

【メモ】

crook:曲げる、湾曲させる

語源:古ノルド語(かぎのように曲がったもの)

名探偵ポワロ:ハロウィーン・パーティー

オリヴァ夫人はハロウィーン・パーティに呼ばれる。そこでジョイスという女の子が「殺人を見た」と言い始める。その後、書斎で彼女の死体が発見される。オリヴァ夫人はポワロに捜査を依頼する。

ポワロは村に向かう途中、列車の中で庭師のガーフィールドと知り合う。ジョイスの発言によって殺されたと考えたポワロは、村一番のゴシップ好きのお婆さんの元へ話を聞きに行く。

 

 

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ドレイク宅の庭がビックリするくらい美しい。どこかの施設とかじゃなくて個人宅って・・・。あれには目を見張るわ。美意識の高いポワロさんなら尚更。庭師の腕は本物なのね。

 

パーティのリンゴ掴み?って何が楽しいのかね・・・。

黒執事でも出てきたけど、謎の遊びってけっこうあるのかもね。今だからそう思うのかもしれないけど。

ちなみにリンゴは手のひらサイズの小ぶりなリンゴ。日本でよく見かける大きさではないです。

今回は冒頭からホラーチックでおどろおどろしい雰囲気。日本の雰囲気しか知らないけど、欧米ではこういう雰囲気でやるのかな?一度この時期に行ってみたい気もします。

 

ジョイスが「この村で起きた殺人」と言っていたので、未解決事件のどれかだろうとゴシップ好きのお婆さんに聞きに行くポワロ。

今回の殺人事件と、3件の過去の未解決事件を紐解いていくので、登場人物も事件の内容も大混乱しながら見てました。

誰が誰に好意を抱いてるとか。文書偽造してたり、やっぱりしてなかったり、何なんだ。最後まで見ると分かるけど、それまでは大変です。

 

犯人逮捕のところ、ポワロさんがステッキで殴って阻止してますね。珍しい気がします。しかしポワロさんのステッキ、何種類あるんでしょうか。双眼鏡になったり、椅子になったり予定に合わせて変えてるんでしょうね。

 

殺した人数がすごいことになってますね。そのうち2人は子供。被害者が子供の話(しかも映像で見せられるの)はキツイです。

名探偵ポワロ:複数の時計

ポワロは劇場で旧友のレース大佐の息子、コリンと出会いある事件の話を聞かされる。同僚であり恋人のフィオナがスパイを尾行中にスパイもろとも車に撥ねられ死亡。彼女が死の直前に残したメモからクレセント通りにいたところ、ある家から女性(シーラ)が怯えながら出てきた。中に入ってみると、ソファの影から男性の死体が発見された。

 

 

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コリンが賭け事に夢中で同僚からの仕事の電話を後回しにした結果、恋人を失うところからスタート。アホなのか、こいつ。

その後出会った第一発見者のシーラとすぐに恋仲になるし、法廷でも仲良さそうにして何かと庇ってるしMI6、大丈夫なのか?

 

スパイ事件から始まるからメインの事件がこれかと思いきや、その後のシーラの事件がメインなんですね。どっちか1つでいいような気もするけど。

 

冒頭でポワロが観に行ってる劇はオリヴァ夫人の作品なんですね。彼女のプロットは単純なようです。「結末は見えている」って(笑)

この劇の中に事件のヒントが。劇のことなんてすっかり忘れてたわ。

 

警察の捜査にボードを使って手がかりを貼っていく方法が使われ始めたんですね~。

しかし事件に関する情報を警察に伝えようとしている人の話を「後でね」とか言って軽く受け流すのはどうなんだ。それも何度も。

事件の関係者が、法廷からの帰りに「彼女は嘘をついてる」って重要な話な気がするけど。まあ、本人に聞かれたらマズイ話ではあるけど。

そんなことやってるから、伝える前に殺されちゃったじゃないか。

その後も尾行中に顔見合わせて笑ってる間に容疑者見失ってるし・・・。

警察のダメっぷりがすごい。

 

死体が発見されたペブマーシュ宅のご近所さんのブランド夫人、どこかで見たと思ったら「牧師探偵シドニー・チェンバース」のマグワイア夫人ですね。あちらではいつもしかめっ面してるから、笑顔が新鮮でした。

 

ノラ・ブレント(シニード・キーナン)は、見ていてウェディング・シンガーのホリーを思い出した。何となく。

 

スパイ事件とシーラの事件は全く関係ない、別の事件よね。

ってことは、目が見えないからと思って死体を置いた家が、たまたまスパイ事件の関係者の家だったってこと?

複数の時計もそんなに関係ないし。(あ、トリックを借用した小説のタイトルか。)

第二次大戦前の世相も反映されてて、ゴチャゴチャし過ぎてる感じ。

 

睡眠薬で眠らされていても、刺されたら悲鳴って上げるのね。とか、密談ならもっと人目につかないところでやればいいのに。とか、庭にそのまま証拠を残すとか(子供が拾ってきたよ)、勝手に相続ってできるんだな、とか突っ込みどころの多いお話。

 

ラストの謎解きではブランド夫人が一人で全部喋ってくれるから、ポワロの出番なかったですね。アシスト程度になってて残念。

 

ラストシーンの海辺が美しかった。