本を片手に

見たもの、感じたことの記録です

タルト・タタンの夢/近藤史恵

商店街にあるフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」。

カウンター7席、テーブル5つのこぢんまりとしたレストランで、気取らない、本当にフランス料理が好きな人が集まる店。

スタッフは4人。

三船忍:料理長。髪を後ろで束ね、無精ひげを生やした無口な人。

志村洋二:副料理長。高級ホテルのメインダイニングで働いていた。

金子ゆき:ソムリエ。趣味は俳句。

高築智行:ギャルソン。語り手。

料理長の三船が、客が持ち込む日常の事件や謎を鮮やかに解いていく。

 

 

✩✩✩✩

目次もメニュー風になっていてイイ。

 

・タルト・タタンの夢

常連の西田さんの婚約が決まった。ある日、婚約者の手料理を食べたら体調を崩してしまう。一体なぜ?

 

食べられないなら事前に連絡すればいいのに。それくらい出来るだろうに。出てきた料理を手もつけずに残すとか、読んでて腹がたった。

 

・ロニョン・ド・ヴォーの決意

好き嫌いの多い粕屋氏。彼の奥さんの作る料理がどうやらイマイチのようで・・・。

 

ガレット・デ・ロワの秘密

料理長の志村と奥さんの麻美さんの話。志村が昔作ったガレット・デ・ロワ。入れたはずのフェーブが消えた理由は?

 

・オッソ・イラティをめぐる不和

客の脇田の奥さんが、フランス旅行から帰って10日も経たないうちに出て行ってしまった理由とは。

 

カマンベール、美味しそう。舌なめずりしながら読んでたわ(笑) いろいろ試してみよう。

バスク地方美食クラブの話も出てきてて、この間見たばかりだから嬉しかった。

 

・理不尽な酔っぱらい

近所の甘味屋「はぎのや」の主人と友人2人の話。野球部だった3人。三年の甲子園前の合宿中に起きた不祥事。部員が酒を飲んで暴れた。しかし、合宿所には酒なんて無かった。

 

やはり甘味屋の主人。最後が素敵。

 

・ぬけがらのカスレ

エッセイストの寺門は事前に「鵞鳥のコンフィのカスレ」を所望。しかし彼女にとってそれは胸の痛みを思い出す料理だった。なぜ今になって頼んだのか。

 

・割り切れないチョコレート

ショコラティエ、鶴岡の店の詰め合わせのチョコの数は素数個。店の名前も、紙袋やラッピングのデザインも素数。なぜ、素数なのか。

 

切なくて優しい話だな~。この話が一番好きかも。 

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ゆったり気軽に入れるフレンチ(しかも家庭料理)、いいな。

近所にこんな店があったら絶対通ってる。

全編通して出てくる「ヴァン・ショー」飲みたい。

 

だいぶ前に読んだのを久しぶりに読み返したけど、ほとんど覚えてなかった。先日バスク美食クラブの映像見たときに、こんなのあるんだ~と思ったけど、既に読んでたのね・・・。ビックリした。

人が死なないミステリーなので、のんびり読みやすい。疲れた頭にちょうどいい一冊。