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本を片手に

見たもの、感じたことの記録です

癒し屋キリコの約束/森沢明夫

数年前に昼ドラでやってたので、買った本。

タイトルからほんわかした作品かと思いきや、全然そんなことはなく・・・。

 

商店街の一角にひっそりと佇む純喫茶「昭和堂」。オーナーの霧子が淹れるコーヒーはとてもマズイらしい。店は雇われ店長の柿崎照美(カッキー)にすべて任せ、キリコは仕事もせず昭和歌謡を流し、ロッキングチェアに座りビールを飲みつつ読書。

この店、ほかの喫茶店とは違いなぜか神棚と賽銭箱が置いてある。

実は喫茶店とは別に、「癒し屋」という裏稼業をしていて、依頼人の悩みを奇想天外なやり方で解消しているのだった。その報酬として依頼人から賽銭をたんまり奉納させている。

なぜ、そんなことをしているのか・・・。

 

 

 ✩✩✩✩

各章の冒頭に、話の内容に関連する歌謡曲の一節が載っているのも面白いです。

 

キリコさんのやり方が無茶苦茶で破天荒。依頼した人も、キリコとともに「癒し屋」として働く常連も、この先どうなるのか分からないまま、命令通りに動いてる。

それでも、蓋を開けてみれば落ち着くところに落ち着いて、「癒されて」いきます。

そんな常連さん、カッキー、キリコにも悲しい過去があったようで。

 

いつも呑んだくれていて気だるげ。言動を見てると、「この人に任せて大丈夫なんだろうか・・・」と思うけど、書き留めておきたい言葉がいっぱい出てくる。

その中の1つが、

 

「人間ってさ、チャレンジしたけど失敗した夢となら、案外すんなり同居できるのよ。でも、チャレンジしないままの宙ぶらりんな夢って、胸の中で腐って悪臭を放つから捨てたくなるんだけど、でも、そんな夢に限ってなかなか離れてくれないものなのよね」

 

本当にそう思う。

私も数年前に始めたことがありますが、実は思いついてから実際に始めるまで5年くらい経ってました。その間ずっと、頭の片隅にこびりついて離れないんですよね。時間もどんどん過ぎていくし。

やりたいことがあるなら、やっちゃえばいいんだと思います。

どっちにしろ後悔することは出てくるだろうし。

 

今は思いついたときに、大きいことから小さいことまで手帳に書いています。

(「新しくできたお店に入ってみる」とか、「歯医者に行く」とかも)

そんな本をこの間も読んだような・・・。

エリザベス・ペローナの「Murder on the bucket list」でした。

書いてると整理できていい。ワクワクするし、やる気も出てくるし。

 

本を読むと、読みたい本が更に増えますね。 

カッキーが美味しいコーヒーの淹れ方を教わった喫茶店が出てくる本、「虹の岬の喫茶店」も読んでみよう。