本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

シャーロック・ホームズの冒険:踊る人形

キュービット氏が、子供の落書きのような踊る人形が書かれた紙を持ってホームズの元を訪れた。庭のベンチや戸口に書いてあったらしい。その絵を見ると妻のエルシーが怯えるので、訳が知りたいという。

しかし、この時点で既に事件は起こっていた。

 

 

✩✩✩✩

暗号事件がなかなか面白いです。

謎があると、あからさまにワクワクしておる。

 

 

アメリカからの連絡を待つあいだ、寝椅子で寝てるホームズ。

その直後に連絡が来て、寝椅子をサッと飛び越えていく姿がカッコイイ。そして美しい。

このシーン、何度でも見たくなりますね。

 

犯人をおびき寄せるため、暗号を使ってニセの手紙を書くホームズ。

糊付きの封筒ってこの時代からあったのね。

レターボックスいいな。カッコイイ。

 

そして犯人逮捕。

今回はワトソンではなく、ホームズが銃を突きつけます。

犯人に向ける眼が鋭い。

 

ホームズとワトソンの関係性も見ていて楽しい。

この2人・・・、いや、ハドソン夫人を含めた3人の会話をもっと見たい。

ベーカー街で覗いてみたい(笑)

吹き替えでしか見てないので、字幕でも見たいな。

名探偵ポワロ:ホロー荘の殺人

田舎の別荘で過ごしていたポワロは、隣のホロー荘のアンカテル夫妻からディナーに招待される。翌日のランチにも招待されるが、そこで見たのはジョンの死体だった。

しかしポワロは前日に話していた殺人推理ゲームだと思うが、近づいていくと本当に撃たれていた。傍らでは妻のガーダが銃を持って見下ろしていた。

 

 

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リッジウェイ病って何だろうと思ったら、クリスティが創った架空の病気なんですね。研究を進めている不治の病のようです。

 

芸術家のヘンリエッタが美人さん。出てくるたびに嬉しくなるし、見とれてしまう。どんな衣装でも似合うのね~。

 

コテージの庭の植栽も整っていないと気の済まないポワロ。ちょこっと飛び出た枝もきれいにカット。ロンドンでも田舎でも、基本的に生活スタイルは変わりませんね。

 

死体にかがみ込んだポワロの背景に写る空、ホロー荘の庭の紅葉など、景色が大変綺麗です。いいな~。

 

ルーシーがペラペラ一人でよく喋る人で、とりとめがない。

ちょっと苦手だわ。距離を置きたいタイプ。

一人で喋りながら部屋に入ってきて、カーテンをシャッと開けるし、週末の朝6時にたたき起こされるし。しかも本人は今が何時か分かってないし。嫌よね。

 

殺されたジョン。周りの評価は「立派な人」だったけど、それは仕事においてだけでしたね。私生活では全然そんなことはなく、ガーダやヘンリエッタの評価に「どの辺が?」と思ってしまいました。

 

ラスト、このまま一人で行かせない方がいいよな~と思っていたら案の定・・・。

 

今回は犯人と探偵、切れ者同士の対決で面白かったです。

どこか哀しさの残るお話でした。

 

【メモ】

「離れ」は「pavilion」と言っていましたね。

ラテン語でテントの意。

原義は蝶。

羽根を広げた蝶に似ていることから。

名探偵ポワロ:白昼の悪魔

肥満による心臓負担と診断されたポワロは、ミス・レモンの勧めでヘイスティングスと共に南海岸に療養に訪れる。そこのホテルにはレストランで見かけた女優のアレーナ・スチュアートも滞在していた。

事件が起きる予感がしていたポワロは未然に防ごうとするが、意に反して殺人事件が起こってしまう。

事件の被害者はアレーナ。しかし、関係者全員には確固たるアリバイがあった。

 

 

 

✩✩✩✩

ポワロたちがチェックインするとき「どこかで見たホテルだな~」と思ってたら、以前テレビでやってて、途中から見た話でした。

冒頭の数年前の事件が伏線だったのね。

 

ヘイスティングスが投資したアルゼンチン料理屋でポワロ倒れる!

ご本人は全力で否定してますが、肥満だそうです。

見るからにポッチャリさんですけどね。

 

本土から島へ行くときに乗ってた、海上を渡る乗り物が面白い。あれ超楽しそう。

何ていうのかは分からないけど。

 

ヘイスティングスとは食事の量が違いすぎて食べにくそう。

イラクサ・ジュースにスチームボックス、低カロリーの物足りない食事。

美食家のポワロには苦痛ですね。

どうやら本当に耐え難かったようで、本土に行って栄養補給してました。美味しそうにパクパク食べて復活したようです。饒舌に事件の話もしてて、ご機嫌さん♪

 

全員にアリバイがある今回のトリックは、ポワロご自慢の灰色の脳細胞を使っても厄介なものだったようです。時間とタイミングとの勝負。かなり危険な賭けですね。

あんなに必死に走っててホテルの従業員が誰も気づかないのも、おかしな感じがしますが。

 

ポワロの肥満、誤診だったようですが、食中毒と肥満って間違えるものですかね。

ヘイスティングスが投資した店が原因で、14回目だそう。14回目でやっと営業停止処分・・・。

もう投資するのやめればいいのに(´・ω・)

 

【メモ】

肥満:obesity

肥満の:obese

名探偵ポワロ:メソポタミア殺人事件

ヘイスティングスが滞在している、メソポタミアの遺跡発掘調査隊の宿舎に招待されたポワロ。その遺跡では、アラブ人が何者かに殺される事件が発生していた。

ポワロが着いた翌日、調査隊長の妻、ルイーズが死体となって発見された。部屋は密室で日中の犯行。ルイーズには長年脅迫状が届いていたという。

 

 

✩✩✩✩

とりあえず、ポワロお茶に角砂糖入れ過ぎ(笑)

5つくらい入れてたよね。甘党だな~。

 

コップで蚊を捕まえたはいいけど、紙が届かなくて夜中に一人苦戦してるポワロさんが可愛らしい。紙は手近なところに置いておかないとダメですね。覚えておこう。

こういう捕まえ方したことないけど。

 

クリスティー作品の中で度々出てくる中東を舞台にしたお話。

今回の舞台はバグダッド

暑いところ、寒いところ、ブンブン飛ぶ虫、乗り心地の悪い乗り物等が嫌いで、文句タラタラでも結構色んなところに旅に行くのね。

最終的にはアラビア語もマスターしてるし。流石です。

 

しかし、今回の殺害方法は何か大変そうですね。

腕力的にもそうだし、すごい音しそうだし。

 

食事の席でヘイスティングスが言ってたメソポタミアの語源、英和にも載ってた。

高校の時こういうのも調べてたら、もっと世界史面白かっただろうな。覚えやすかっただろうし。

 

 

【メモ】

monastère:修道院

right hand:右腕

殺しはノンカロリー/コリン・ホルト・ソーヤー

評判の美容スパで女性の死体が発見された。しかし、スパの社経営者ドロシーは警察の捜査を信用できない。そこで友人のアンジェラに相談し、解決して欲しいと依頼する。

さっそくアンジェラは渋るキャレドニアを伴い、利用客としてスパに潜入。真相を探ろうとする。

シリーズ第5弾。

 

 

✩✩✩✩

今度は住み慣れた<カムデン>を飛び出して美容スパでの探偵活動。一般客に紛れるため、利用するのはダイエット・プログラム。

スパにはシュミットさんを超える(かもしれない)程のシェフがいるようで、食事に関しては2人も大満足。

しかし、あのキャレドニアがプログラムに参加する訳が無い。自分ばかり参加して不満が募っているアンジェラとは逆に、堂々とサボって周辺を嗅ぎまわっています。

表紙の、トランポリンで飛び跳ねているキャレドニアが幸せそうで可愛らしい。

 

<カムデン>の登場人物には慣れたけど、スパのスタッフと利用客の名前を覚えるのが大変だった。「弁護士夫人」とか書き出しながら読んだ方がいいかも。

 

マーティネス警部補の魅力にやられるのは<カムデン>の人だけじゃないんだね~。と思ってたら、今回は他にも魅力的な男性が出てくる。あのマーティネス警部補が妬くほど。

今回はそんな警部補の新たな一面が垣間見れます。

一度手に取って確認したものを完璧に元に戻せる手を持っているらしい。ベッドカバーの襞も元通りにできるって、どういうこと?

まあ、それ以外はダメダメだったけど・・・。

 

キャレドニアのピンチに恋、新たな友情と今回も面白かったです。

みんなの名前を覚えるのは大変だったけど、最後にはこちらも寂しくなりますね。

 

 

 

名探偵ポワロ:アクロイド殺人事件

ポワロは探偵を引退し、キングズ・アボット村で畑仕事をしている。ある日、友人で資産家のアクロイドが書斎で死んでいるのが発見された。警察は養子のラルフを疑ったため、ラルフの婚約者フローラはポワロに捜査を依頼する。

引退を理由に断るが、警察署でジャップ警部と再会。手伝って欲しいと言われ、捜査を始める。

 

 

 

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今回は犯人の手記をポワロがナレーションしていく、という一味違った手法です。

 

ジャップ警部との再会。子供のように喜ぶポワロが可愛いです。

ジャップ警部、フランス式のビズは嫌らしい(笑)

どのくらい時間が経っているのだろうか。

村に来て1年と言ってたから、引退してから少なくとも1年は経ってるようですね。

手をかけて育てた冬瓜が普通の大きさまでで成長をやめることに腹を立て、とりゃーっと投げるのが面白かった。

 

当時の紙幣でかいね。かなり目立つ。

 

引退しても完璧主義、綺麗好きは変わらないようです。

袖口のシミを気にしたり、人の家の置物の位置を直したり、椅子をキッチリ並べたり・・・。

人間、そう簡単には変わらないですね。

村での生活でもスーツで正装してますし。

 

嫉妬、欲望、憎悪、嘘・・・。

30年間ずっと人間の裏側を見続けてきたポワロ。

だからこそ、引退後は静かな田舎でゆっくり暮らしたいと思っていたのでしょうね。

でも、それは田舎でも都会でも変わらずそこに在る。

田舎でも事件に関わって気づいたようです。

 

【メモ】

書斎:study

東屋:summerhouse

フクロウは夜ふかしをする/コリン・ホルト・ソーヤー

高級老人ホーム<海の上のカムデン>に新しく入居してきた老婦人が何者かに殺された。その前にはカムデンの敷地内で庭師と自販機業者が酷い殺され方をしていた。調べた結果、カムデンで殺された以外には特に関係性がなさそうな2人。一体何があったのか。

危険だから関わるな、と言われてもアンジェラとキャレドニアが思いとどまる訳が無い。今回も元気に「お手伝い」に乗り出します。

シリーズ第3弾。

 

 

✩✩✩✩

順番バラバラに読んでるから3作目という感じがしない・・・。

 

今回の事件はベンソン刑事部長が担当。

担当刑事がマーティネス警部補じゃないことにアンジェラとキャレドニアは不満タラタラ。どうやら丁寧でフレンドリーな警部補と違って、事務的で自分たちの話をまともに聞いてはくれないとご立腹のようです。

まあ、マーティネス警部補も出てくるし、後半は諦めたベンソン刑事部長から引き継いでいつも通り担当になりますけど。

 

中盤で、読みながら「早く事件が起こらないかな~。今回は窃盗か?」と一瞬思った自分にビックリした。

冒頭で既に起きてたわ、殺人事件。それも2件も。

刑事部長に釘を刺されるし、アンジェラたちも他にやることがあって暫く事件の話が出てこないので、すっかり忘れてた(^_^;)

 

今回も2人は大活躍。特にアンジェラが。

そのせいで危険な目にも遭いますが。

しかし、アンジェラがキャルを「冒険」に誘ったときの理由(と言うか言い訳)、なんであの理由で納得できたのか。謎です。

 

そんな2人とは対照的に、警察の捜査はさっぱり成果があがらない。

有力な情報が何も見つからない。

ラストも、どんな状況であれ待ってないでさっさと開ければいいのに。と思ってしまった。

 

 

食堂のマイク、直ったんですね。

よかった、よかった。

と思った傍からグローガンさんが・・・(笑)

 

ハラハラしたり、ヤキモキしたり、クスッとしたり。

次作でも、おばあちゃんたちの達観した考え方と、少しの冒険と、シュミットさんの美味しい料理に、年上キラーな警部補さんも楽しみです。

 

【メモ】

owl light:たそがれ

quid pro quo:(ラテン語)代償、報酬