本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

名探偵ポワロ:ハロウィーン・パーティー

オリヴァ夫人はハロウィーン・パーティに呼ばれる。そこでジョイスという女の子が「殺人を見た」と言い始める。その後、書斎で彼女の死体が発見される。オリヴァ夫人はポワロに捜査を依頼する。

ポワロは村に向かう途中、列車の中で庭師のガーフィールドと知り合う。ジョイスの発言によって殺されたと考えたポワロは、村一番のゴシップ好きのお婆さんの元へ話を聞きに行く。

 

 

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ドレイク宅の庭がビックリするくらい美しい。どこかの施設とかじゃなくて個人宅って・・・。あれには目を見張るわ。美意識の高いポワロさんなら尚更。庭師の腕は本物なのね。

 

パーティのリンゴ掴み?って何が楽しいのかね・・・。

黒執事でも出てきたけど、謎の遊びってけっこうあるのかもね。今だからそう思うのかもしれないけど。

ちなみにリンゴは手のひらサイズの小ぶりなリンゴ。日本でよく見かける大きさではないです。

今回は冒頭からホラーチックでおどろおどろしい雰囲気。日本の雰囲気しか知らないけど、欧米ではこういう雰囲気でやるのかな?一度この時期に行ってみたい気もします。

 

ジョイスが「この村で起きた殺人」と言っていたので、未解決事件のどれかだろうとゴシップ好きのお婆さんに聞きに行くポワロ。

今回の殺人事件と、3件の過去の未解決事件を紐解いていくので、登場人物も事件の内容も大混乱しながら見てました。

誰が誰に好意を抱いてるとか。文書偽造してたり、やっぱりしてなかったり、何なんだ。最後まで見ると分かるけど、それまでは大変です。

 

犯人逮捕のところ、ポワロさんがステッキで殴って阻止してますね。珍しい気がします。しかしポワロさんのステッキ、何種類あるんでしょうか。双眼鏡になったり、椅子になったり予定に合わせて変えてるんでしょうね。

 

殺した人数がすごいことになってますね。そのうち2人は子供。被害者が子供の話(しかも映像で見せられるの)はキツイです。

名探偵ポワロ:複数の時計

ポワロは劇場で旧友のレース大佐の息子、コリンと出会いある事件の話を聞かされる。同僚であり恋人のフィオナがスパイを尾行中にスパイもろとも車に撥ねられ死亡。彼女が死の直前に残したメモからクレセント通りにいたところ、ある家から女性(シーラ)が怯えながら出てきた。中に入ってみると、ソファの影から男性の死体が発見された。

 

 

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コリンが賭け事に夢中で同僚からの仕事の電話を後回しにした結果、恋人を失うところからスタート。アホなのか、こいつ。

その後出会った第一発見者のシーラとすぐに恋仲になるし、法廷でも仲良さそうにして何かと庇ってるしMI6、大丈夫なのか?

 

スパイ事件から始まるからメインの事件がこれかと思いきや、その後のシーラの事件がメインなんですね。どっちか1つでいいような気もするけど。

 

冒頭でポワロが観に行ってる劇はオリヴァ夫人の作品なんですね。彼女のプロットは単純なようです。「結末は見えている」って(笑)

この劇の中に事件のヒントが。劇のことなんてすっかり忘れてたわ。

 

警察の捜査にボードを使って手がかりを貼っていく方法が使われ始めたんですね~。

しかし事件に関する情報を警察に伝えようとしている人の話を「後でね」とか言って軽く受け流すのはどうなんだ。それも何度も。

事件の関係者が、法廷からの帰りに「彼女は嘘をついてる」って重要な話な気がするけど。まあ、本人に聞かれたらマズイ話ではあるけど。

そんなことやってるから、伝える前に殺されちゃったじゃないか。

その後も尾行中に顔見合わせて笑ってる間に容疑者見失ってるし・・・。

警察のダメっぷりがすごい。

 

死体が発見されたペブマーシュ宅のご近所さんのブランド夫人、どこかで見たと思ったら「牧師探偵シドニー・チェンバース」のマグワイア夫人ですね。あちらではいつもしかめっ面してるから、笑顔が新鮮でした。

 

ノラ・ブレント(シニード・キーナン)は、見ていてウェディング・シンガーのホリーを思い出した。何となく。

 

スパイ事件とシーラの事件は全く関係ない、別の事件よね。

ってことは、目が見えないからと思って死体を置いた家が、たまたまスパイ事件の関係者の家だったってこと?

複数の時計もそんなに関係ないし。(あ、トリックを借用した小説のタイトルか。)

第二次大戦前の世相も反映されてて、ゴチャゴチャし過ぎてる感じ。

 

睡眠薬で眠らされていても、刺されたら悲鳴って上げるのね。とか、密談ならもっと人目につかないところでやればいいのに。とか、庭にそのまま証拠を残すとか(子供が拾ってきたよ)、勝手に相続ってできるんだな、とか突っ込みどころの多いお話。

 

ラストの謎解きではブランド夫人が一人で全部喋ってくれるから、ポワロの出番なかったですね。アシスト程度になってて残念。

 

ラストシーンの海辺が美しかった。

名探偵ポワロ:杉の柩

婚約中のエリノアとロディ。ある日2人の元に資産家で寝たきりになっている叔母のローラに関する嫌がらせの手紙が届く。叔母の家に行くと、2人の幼馴染のメアリが帰ってきていた。彼女に心奪われるロディ。彼はエリノアとの婚約を破棄してしまう。

エリノアは手紙のことを叔母の主治医に相談し、彼はポワロに助言を求める。

 

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エリノアが死刑判決を受けるところから話はスタート。傍聴席にはポワロもいる。一体何が起こったのか。ここからエリノアの回想が始まる。

 

退屈しているらしいポワロさん。

手紙を見せられて殺人を予告します。

主治医はエリノアに好意を寄せいているようですね。

 

メアリは庭師の娘なんですね。

再会したロディたち。美しく成長したメアリを見て、サラッと乗り換える。なんなんだ、コイツ(`Δ´)!

 

看護師二人もね~。鞄置きっぱなしにしてて、モルヒネ失くなってるのに「深刻になっちゃダメ」って・・・。いやいや、もっと慌てようよ。そんなもので良いのかな。

普通に世話しつつも本人がいないところでは陰口叩いてたり、少し馬鹿にしているような言動で嫌な感じ。

 

メアリを殺したいほど憎むエリノア自らサンドイッチを作り、図書室で振る舞ったあとメアリが死亡する。この時のメアリを見つめるエリノアの顔が怖い・・・。綺麗な人だと余計に怖いですね。

 

てっきりサンドイッチに毒を仕込んであると思ったら、お茶だったのか。犯人自らも飲むけど、後から吐剤を投与。間に合わなかったらどうするんだろうか。2回も飲んでるし。危ない橋を渡っておられる。

ポワロは出されたお茶をすり替え、飲んだふりしてフラフラしながら聞き出し自白させる。流石です。

 

結局、遺産目当ての犯行だったようで。婚約者が他の女に気持ちが傾いてたり、婚約解消したりゴタゴタしてたのに一連の犯行とは一切関係なかったのね・・・。あれだけ色々起きてたら何か関係ありそうですが。ビックリです。

エリノアが犯人かも。と思わせるための伏線がいっぱい散らばっていて、彼女にとっては不利な状況ばかりで騙されます。

冷静に考えたら分かりそうでも、彼女の行動、人生に目がいって気を逸らされるし。

 

最後バタバタしてましたが、エリノアは事件からも、失恋からも救われるようでよかったです。

 

【メモ】

cypress:イトスギ(喪・哀悼の象徴)

イヌの仇討

7/9 13:30公演

アフタートーク付き

 

赤穂側ではなく、吉良側から見た忠臣蔵

討ち入られてから見つかるまでの約2時間、逃げ込んだ炭部屋でのお話。

だから場面転換は無いけど、濃密な時間でした。

 

見る前に戯曲を図書館で借りて読んだけど、セリフを声で聞いて、動きが付いたのを見ると、文字で読むのとは全然違う。

文字だと喋ってる人のセリフしか書いてないけど、当然周りの人もそれぞれに動いてるわけで、喋ってるときの表情とかが加わるとまた変わってくる。

 

自分で読んでる時は面白いポイントがもっと少なかったように思うけど、実際に見てみたらけっこう多かった。

セリフまわし、一言、一文字の言い方でも大きく変わるし、周りや足元にどんな道具があって、それを含めての動作でも変わるんだな~。自分の脳内再生とは全然違った。

読んでる時はそこまでは想像しないからね。

 

自分のペースで読める本も面白いけど、目の前で動いて見せてくれる舞台もまた面白いです(´∀`)

 

ただ、赤穂に殺されるかもしれない恐怖と緊張で感情が昂ぶって、つい大声を出してしまうところ(特に一幕)が繰り返されるのが、見てるこちらも緊張するというか、イライラするというか・・・。思いのほかストレスでした。

まあ、あんな緊急事態に陥ったことが無いから、何するか分からないのは自分だろうな、とも思うが。

 

時代物、セリフというか言葉が難しいね。事前に読んでてよかった。「この人と縁がある、繋がりがある」とかは言葉だと理解する前に流れていって次のセリフに行くから、文字で読んだ方が分かりやすい。

 

トルストイ読んだ時も思ったけど、今も変わってない。そのまま当てはまる。時代は関係ないんだな。

いい加減、調べる習慣を身につけないといけないと思った。できてないと感じることがまだあるから。

 

吉良様は人格者なんだな~。なんでもできる優秀な人。そして、殿様として家来に命令してるけど、たまに面白い。

側妻のお吟さまはそんな彼を真っ直ぐに愛していて、優しさが溢れる素敵な人でした。

 

夢で見た世界。鰯雲の打掛、虹の帯ってどんなだろうな。家臣たちと仲良く過ごす桃の花咲く世界は優しくて温かいんだろうな・・・。

 

<アフタートーク

私服に着替えて皆様登場。裸足なのが斬新だったな。

ゆみこ(彩吹真央)さん、ポニーテール可愛かったヽ(´▽`)/

吉良様を穴が開くほど見ているそうです(笑)

近習がおしん達に好意を抱いてることがセリフでは1箇所しかないけど、それ以外の部分でも動作で表現しているらしいので、次見るときに気にしてみよう。

 

【メモ】

瘧(おこり):間欠的な発熱、悪寒、震えを発する病気。マラリアの一種で、3日熱を指す。

季語は夏らしい。あ、蚊が媒介だからか。

名探偵ポワロ:ナイルに死す

ナイル河畔のホテルで新婚旅行中のリネットとサイモンの夫婦に出会ったポワロ。リネットは資産家、サイモンはリネットの友人の元婚約者。その友人ジャクリーンが二人を追って行く先々に付いてくる。一行は客船でナイル川クルーズに出かけるが、そこでリネットが遺体となって発見される。

 

 

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友人の婚約者と結婚とか、それだけでもう怪しいですね。

 

今のように旅行用に小分けにされたものがない時代、旅行の度に荷物が多くて大変だな~と思うのは、荷物が多いのが苦手だからでしょうかね。

といいつつも、鏡台や洗面所の鏡の前に綺麗な小瓶がズラッと並んでいるのも憧れます。眺めているだけで楽しくなりますよね。

旅先でも、眉毛にまでブラシをかけているのがポワロらしいです。

 

 

夕食後、ポワロの酒には睡眠薬が混入されており、事件があったときはグッスリ眠っていたんですね。残念。

 

酔ったジャクリーンがサイモンを銃で撃ったのはフェイクで、みんなが出て行ってから犯行に及び、戻ってきて自分で撃った、と。

足撃った角度とかで自分で撃ったの分かりそうだよね。なんでバレなかったんだろうか。毎度のことながら、謎が残ります。

 

コーネリアと医師はいつの間に恋愛関係に?

何かあったっけ。さっぱり分からなかったよ。随分唐突な展開ですね。

なんとなく、ファーガスンとくっつくのかなと思ってたから。

 

冒頭のベッドシーンから、全部綿密に計画されていたんですね。ジャクリーンが考えて、サイモンが行動に移す。3ヶ月かけての計画。

サイモンの咄嗟の判断は余計だったらしいけど。

名探偵ポワロ:猟人荘の怪事件

ヘイスティングスの友人ロジャーに誘われて雷鳥狩りに出かけるポワロたち。雷鳥料理を楽しみにしていたポワロは風邪をひき、寝込んでしまう。その夜、ロッジを訪ねてきた人物にロジャーの伯父が殺される。

 

 

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猟の様子は本で読んだことしかなく、映像で見たのは初めてでしたが、見れてよかった。読みながらイマイチ想像しきれていませんでした。それぞれ持ち場が決まっていて、あんな風にやるのね。今度小説で狩りの場面が出てきたら、これを参考にしよう。

アーチーが銃をブンブン横に振っていて危ないな~と思ってたら本当に撃っちゃった!無事だったからよかったものの、未経験の人がいると大変なのね~。そりゃ激怒するわ。

 

ポワロも参加するんだ~なんて見てたら、興味があるのは料理の方ですね。料理を楽しみにしつつ、簡易イスに座って見学。ところどころ雪が残ってるし、寒そう。と思ってたらポワロさん、風邪ひいた。やっぱり寒かったんですね。ロッジに帰ってからもずっと暖炉に張り付いてたからな~。

ロッジに泊まらなくてもいいと分かった時のポワロさんが面白かった。

 

弟を猟場の番人(使用人)として使ってるのにびっくり。登場人物の関係性がイマイチ分かってないけど。多いな、そういうの。

 

今回の犯行は、一人二役。誰もその二人を同時に見たことがない、と。

警察と探偵を相手に変装して犯行に及ぶ素人。取り調べまで受けて。・・・無理そう。毎回それしか言ってない気がするけど、まあいいか。

 

失くなった駅員の自転車を見つけたり、犯人を示したり、今回一番のお手柄は猟犬でしたね。ヘイスティングスではなく(笑)

 

自転車見つけたとき、ポワロだけシレっと汚れないところで見てるのね。

名探偵ポワロ:死との約束

シリアに出かけたポワロ。そこで遺跡発掘をしているボイントン卿と、その家族に出会う。ボイントン夫人は金融街の大物で莫大な財産を持ち、尊大な態度で、そんな彼女に家族は振り回されていた。ボイントン家とともに発掘の見学に参加するが、そこで殺人事件が起こる。

 

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ボイントン卿と夫人は再婚同士なんですね。

キャロル、ジニー、レイモンドが夫人の子供。

レナードがボイントン卿の息子。

乳母もいるのね。

 

ジェラールとキングは医師。

キング医師、可愛いですね~。これまた目が行く美しい人。

 

見学には他にもシスター、コープ(アメリカ人)も参加。

 

見学に向かう途中で旅行作家のセリアが合流。

なぜかラクダに乗って登場(笑)

そのままラクダ置いてったのかな。

 

遺跡の中に入ってくる光がスポットライトみたいで綺麗です。

ボイントン卿、本物のヨハネの頭蓋骨と信じている割に、素手だし、扱いが雑。偽物だと判明し、傷心のまま退場。自力で区別はできないらしい。

奴隷商人の話は別に無くてもよくない?いろいろ詰め込んでますね。

 

通りすがりに注射器で打つって出来るんだろうか。ポワロの目の前で。医者でもないのに。医者でもできなそうだし。

「後から調べてみたら、ボイントン夫人が折檻してたと知った」ってメイドだったんじゃ・・・。セリアがいたときは虐待はしてなかったんだろうか。

 

それにしても、幼い頃に虐待されて、後に両親が判明した直後に、目の前で両親が自殺するのを見る、ってすごいな。生きていけるのかな。傷、余計深めてないか。衝撃すぎる。

 

いろいろ気になるところはあるけど、ジニーが元気出たようでよかった。

ラストのポワロさん、妖精みたいで素敵でしたね。ここの映像が美しくて、一番印象的でした。