本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

グラナダ・ホームズ:プライオリ・スクール

ホームズの元に来た名門のプライオリ・スクールの校長が、入ってくるなり倒れてしまう。自身の学校の生徒であり、ホールダネス公爵の一人息子アーサーが誘拐されたらしい。しかし、身代金の要求はなく理解しがたい。それと時を同じくしてドイツ人教師のハイデッカーが自転車と共に行方不明になっていた。

 

 

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「42種類のタイヤの跡を見分けられる」って、すごい。まあ、探偵としては必要な能力なんだろうけど。

ハイデッカーの足取りをたどっていくと、牛の蹄の跡があるのみ。自転車の跡も途中で消えている。

「追跡を逃れるため、馬に牛の蹄鉄を付けて活動していた」という昔話を今回利用した。

そりゃ、馬も足が痛いだろう。人間の勝手でやったんだろうな、きっと。動物は苦手だけど、こういうのは酷いな。

 

ドイツ人教師は、窓から抜け出すアーサーを見て後を追っただけ。犯人は秘書のワイルダーだった。実は公爵の息子。異母兄弟のアーサーを誘拐して彼が求めていたのは力だった。公爵を抑える力。それでも公爵は彼を助けたかったと。

こういう人には何を言っても無駄な気もするけど。実の息子だとそうも行かないのかな。

 

でも、これで公爵もやっと楽になれるだろうな。長い時間だったと思う。「希望を取り戻してくれた」と言ってたし。これからは平穏に過ごせるんじゃないかな。