本を片手に

主に本、映画、舞台の感想

名探偵ポワロ:杉の柩

婚約中のエリノアとロディ。ある日2人の元に資産家で寝たきりになっている叔母のローラに関する嫌がらせの手紙が届く。叔母の家に行くと、2人の幼馴染のメアリが帰ってきていた。彼女に心奪われるロディ。彼はエリノアとの婚約を破棄してしまう。

エリノアは手紙のことを叔母の主治医に相談し、彼はポワロに助言を求める。

 

✩✩✩✩

エリノアが死刑判決を受けるところから話はスタート。傍聴席にはポワロもいる。一体何が起こったのか。ここからエリノアの回想が始まる。

 

退屈しているらしいポワロさん。

手紙を見せられて殺人を予告します。

主治医はエリノアに好意を寄せいているようですね。

 

メアリは庭師の娘なんですね。

再会したロディたち。美しく成長したメアリを見て、サラッと乗り換える。なんなんだ、コイツ(`Δ´)!

 

看護師二人もね~。鞄置きっぱなしにしてて、モルヒネ失くなってるのに「深刻になっちゃダメ」って・・・。いやいや、もっと慌てようよ。そんなもので良いのかな。

普通に世話しつつも本人がいないところでは陰口叩いてたり、少し馬鹿にしているような言動で嫌な感じ。

 

メアリを殺したいほど憎むエリノア自らサンドイッチを作り、図書室で振る舞ったあとメアリが死亡する。この時のメアリを見つめるエリノアの顔が怖い・・・。綺麗な人だと余計に怖いですね。

 

てっきりサンドイッチに毒を仕込んであると思ったら、お茶だったのか。犯人自らも飲むけど、後から吐剤を投与。間に合わなかったらどうするんだろうか。2回も飲んでるし。危ない橋を渡っておられる。

ポワロは出されたお茶をすり替え、飲んだふりしてフラフラしながら聞き出し自白させる。流石です。

 

結局、遺産目当ての犯行だったようで。婚約者が他の女に気持ちが傾いてたり、婚約解消したりゴタゴタしてたのに一連の犯行とは一切関係なかったのね・・・。あれだけ色々起きてたら何か関係ありそうですが。ビックリです。

エリノアが犯人かも。と思わせるための伏線がいっぱい散らばっていて、彼女にとっては不利な状況ばかりで騙されます。

冷静に考えたら分かりそうでも、彼女の行動、人生に目がいって気を逸らされるし。

 

最後バタバタしてましたが、エリノアは事件からも、失恋からも救われるようでよかったです。

 

【メモ】

cypress:イトスギ(喪・哀悼の象徴)

イヌの仇討

7/9 13:30公演

アフタートーク付き

 

赤穂側ではなく、吉良側から見た忠臣蔵

討ち入られてから見つかるまでの約2時間、逃げ込んだ炭部屋でのお話。

だから場面転換は無いけど、濃密な時間でした。

 

見る前に戯曲を図書館で借りて読んだけど、セリフを声で聞いて、動きが付いたのを見ると、文字で読むのとは全然違う。

文字だと喋ってる人のセリフしか書いてないけど、当然周りの人もそれぞれに動いてるわけで、喋ってるときの表情とかが加わるとまた変わってくる。

 

自分で読んでる時は面白いポイントがもっと少なかったように思うけど、実際に見てみたらけっこう多かった。

セリフまわし、一言、一文字の言い方でも大きく変わるし、周りや足元にどんな道具があって、それを含めての動作でも変わるんだな~。自分の脳内再生とは全然違った。

読んでる時はそこまでは想像しないからね。

 

自分のペースで読める本も面白いけど、目の前で動いて見せてくれる舞台もまた面白いです(´∀`)

 

ただ、赤穂に殺されるかもしれない恐怖と緊張で感情が昂ぶって、つい大声を出してしまうところ(特に一幕)が繰り返されるのが、見てるこちらも緊張するというか、イライラするというか・・・。思いのほかストレスでした。

まあ、あんな緊急事態に陥ったことが無いから、何するか分からないのは自分だろうな、とも思うが。

 

時代物、セリフというか言葉が難しいね。事前に読んでてよかった。「この人と縁がある、繋がりがある」とかは言葉だと理解する前に流れていって次のセリフに行くから、文字で読んだ方が分かりやすい。

 

トルストイ読んだ時も思ったけど、今も変わってない。そのまま当てはまる。時代は関係ないんだな。

いい加減、調べる習慣を身につけないといけないと思った。できてないと感じることがまだあるから。

 

吉良様は人格者なんだな~。なんでもできる優秀な人。そして、殿様として家来に命令してるけど、たまに面白い。

側妻のお吟さまはそんな彼を真っ直ぐに愛していて、優しさが溢れる素敵な人でした。

 

夢で見た世界。鰯雲の打掛、虹の帯ってどんなだろうな。家臣たちと仲良く過ごす桃の花咲く世界は優しくて温かいんだろうな・・・。

 

<アフタートーク

私服に着替えて皆様登場。裸足なのが斬新だったな。

ゆみこ(彩吹真央)さん、ポニーテール可愛かったヽ(´▽`)/

吉良様を穴が開くほど見ているそうです(笑)

近習がおしん達に好意を抱いてることがセリフでは1箇所しかないけど、それ以外の部分でも動作で表現しているらしいので、次見るときに気にしてみよう。

 

【メモ】

瘧(おこり):間欠的な発熱、悪寒、震えを発する病気。マラリアの一種で、3日熱を指す。

季語は夏らしい。あ、蚊が媒介だからか。

名探偵ポワロ:ナイルに死す

ナイル河畔のホテルで新婚旅行中のリネットとサイモンの夫婦に出会ったポワロ。リネットは資産家、サイモンはリネットの友人の元婚約者。その友人ジャクリーンが二人を追って行く先々に付いてくる。一行は客船でナイル川クルーズに出かけるが、そこでリネットが遺体となって発見される。

 

 

✩✩✩✩

友人の婚約者と結婚とか、それだけでもう怪しいですね。

 

今のように旅行用に小分けにされたものがない時代、旅行の度に荷物が多くて大変だな~と思うのは、荷物が多いのが苦手だからでしょうかね。

といいつつも、鏡台や洗面所の鏡の前に綺麗な小瓶がズラッと並んでいるのも憧れます。眺めているだけで楽しくなりますよね。

旅先でも、眉毛にまでブラシをかけているのがポワロらしいです。

 

 

夕食後、ポワロの酒には睡眠薬が混入されており、事件があったときはグッスリ眠っていたんですね。残念。

 

酔ったジャクリーンがサイモンを銃で撃ったのはフェイクで、みんなが出て行ってから犯行に及び、戻ってきて自分で撃った、と。

足撃った角度とかで自分で撃ったの分かりそうだよね。なんでバレなかったんだろうか。毎度のことながら、謎が残ります。

 

コーネリアと医師はいつの間に恋愛関係に?

何かあったっけ。さっぱり分からなかったよ。随分唐突な展開ですね。

なんとなく、ファーガスンとくっつくのかなと思ってたから。

 

冒頭のベッドシーンから、全部綿密に計画されていたんですね。ジャクリーンが考えて、サイモンが行動に移す。3ヶ月かけての計画。

サイモンの咄嗟の判断は余計だったらしいけど。

名探偵ポワロ:猟人荘の怪事件

ヘイスティングスの友人ロジャーに誘われて雷鳥狩りに出かけるポワロたち。雷鳥料理を楽しみにしていたポワロは風邪をひき、寝込んでしまう。その夜、ロッジを訪ねてきた人物にロジャーの伯父が殺される。

 

 

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猟の様子は本で読んだことしかなく、映像で見たのは初めてでしたが、見れてよかった。読みながらイマイチ想像しきれていませんでした。それぞれ持ち場が決まっていて、あんな風にやるのね。今度小説で狩りの場面が出てきたら、これを参考にしよう。

アーチーが銃をブンブン横に振っていて危ないな~と思ってたら本当に撃っちゃった!無事だったからよかったものの、未経験の人がいると大変なのね~。そりゃ激怒するわ。

 

ポワロも参加するんだ~なんて見てたら、興味があるのは料理の方ですね。料理を楽しみにしつつ、簡易イスに座って見学。ところどころ雪が残ってるし、寒そう。と思ってたらポワロさん、風邪ひいた。やっぱり寒かったんですね。ロッジに帰ってからもずっと暖炉に張り付いてたからな~。

ロッジに泊まらなくてもいいと分かった時のポワロさんが面白かった。

 

弟を猟場の番人(使用人)として使ってるのにびっくり。登場人物の関係性がイマイチ分かってないけど。多いな、そういうの。

 

今回の犯行は、一人二役。誰もその二人を同時に見たことがない、と。

警察と探偵を相手に変装して犯行に及ぶ素人。取り調べまで受けて。・・・無理そう。毎回それしか言ってない気がするけど、まあいいか。

 

失くなった駅員の自転車を見つけたり、犯人を示したり、今回一番のお手柄は猟犬でしたね。ヘイスティングスではなく(笑)

 

自転車見つけたとき、ポワロだけシレっと汚れないところで見てるのね。

名探偵ポワロ:死との約束

シリアに出かけたポワロ。そこで遺跡発掘をしているボイントン卿と、その家族に出会う。ボイントン夫人は金融街の大物で莫大な財産を持ち、尊大な態度で、そんな彼女に家族は振り回されていた。ボイントン家とともに発掘の見学に参加するが、そこで殺人事件が起こる。

 

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ボイントン卿と夫人は再婚同士なんですね。

キャロル、ジニー、レイモンドが夫人の子供。

レナードがボイントン卿の息子。

乳母もいるのね。

 

ジェラールとキングは医師。

キング医師、可愛いですね~。これまた目が行く美しい人。

 

見学には他にもシスター、コープ(アメリカ人)も参加。

 

見学に向かう途中で旅行作家のセリアが合流。

なぜかラクダに乗って登場(笑)

そのままラクダ置いてったのかな。

 

遺跡の中に入ってくる光がスポットライトみたいで綺麗です。

ボイントン卿、本物のヨハネの頭蓋骨と信じている割に、素手だし、扱いが雑。偽物だと判明し、傷心のまま退場。自力で区別はできないらしい。

奴隷商人の話は別に無くてもよくない?いろいろ詰め込んでますね。

 

通りすがりに注射器で打つって出来るんだろうか。ポワロの目の前で。医者でもないのに。医者でもできなそうだし。

「後から調べてみたら、ボイントン夫人が折檻してたと知った」ってメイドだったんじゃ・・・。セリアがいたときは虐待はしてなかったんだろうか。

 

それにしても、幼い頃に虐待されて、後に両親が判明した直後に、目の前で両親が自殺するのを見る、ってすごいな。生きていけるのかな。傷、余計深めてないか。衝撃すぎる。

 

いろいろ気になるところはあるけど、ジニーが元気出たようでよかった。

ラストのポワロさん、妖精みたいで素敵でしたね。ここの映像が美しくて、一番印象的でした。

眠れる森の美女にコーヒーを/クレオ・コイル

おとぎ話をテーマに、ニューヨークのセントラルパークで秋のフェスティバルが開催された。クレアのコーヒーハウスも出店するが、パーク内の森でピンク・プリンセス役の女性が昏睡状態で発見された。

容疑者として逮捕されたのは、クレアの元夫マテオ。警察の判断に納得がいかないクレアは捜査を始め、被害者が持っていたネックレスが、とあるクラブの通行証となっていることを突き止めるが・・・。

コクと深みの名推理シリーズ14。

 

 

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参加者がおとぎ話の登場人物に扮したフェスティバル、なかなか楽しそうです。

ちなみにクレアのコーヒー・トラックのテーマは「ジャックと豆の木

 

今回は不思議なコーヒーが出てきて、いつもとは少し違った雰囲気でした。

感受性の強い人が飲むと、予知夢のような夢を見るらしい。

コーヒーを飲んで見る夢も、出てくるお菓子や飲み物も、おとぎ話をテーマにしていて面白い。

 

クレアの元姑、マダムを凌ぐ人がいるとは・・・。

バーバラとの会話はヒリヒリしますね。

 

華やかなニューヨークを舞台に事件あり、コーヒーの豆知識あり、ロマンスありで盛りだくさんです。

エスターの恋も、クレアの恋も次の段階に進みそうでこちらも楽しみ♪

 

 

トーリーの中に出てきた「貧乏人のキャビア」も作ってみた。家にあった材料で作ったから「のようなもの」だけど。

パンにチーズと乗せてピザトーストにしてみたけど、美味しかった。パスタとかでもいいかも。

あと何に使えるかな~。

 

 

 

名探偵ポワロ:第三の女

ある日、ポワロの元を若い女性ノーマが訪れる。オリヴァ夫人からの紹介で、どうやら人を殺したらしい。ポワロが詳しい話を聞こうとするが、彼女はすぐに帰ってしまう。

ポワロはオリヴァ夫人を訪れるが、彼女もノーマと知り合ったばかりだと言う。ノーマは夫人と同じアパートに友人と3人で住んでいた。

ポワロが夫人と話していると警察車両が到着。そのアパートの一室でシーグラムという女性が死体で発見された。

 

 

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冒頭のポワロの食事シーン。

テーブルを真上から撮っていて、きっちり綺麗に並べられているのがよく分かる。いかにもポワロらしい。パンとクラッカー、紅茶、ジャムしかないけど。ナイフとフォークは何に使うんだろうか。

 

そこにノーマ登場。どうやら精神的にかなり混乱している様子。

しかし、ポワロに会うなり「あなたは、まるで化石」と言って帰ってしまう。なかなかキツイです。

 

ノーマはルームシェアして住んでるんですね。ルームメイトは下記。

1stガール:クローディア(ノーマの父レスタリックの秘書)

2ndガール:フランシス(芸術家肌で女優)

3rdガール:ノーマ

 

そういえばタクシーが自動車になっていますね。1930年代も半分過ぎた頃。少し前までは警察車両が自動車になっても、タクシーはまだ馬車だったのに。

 

オリヴァ夫人が度々言う孔雀って誰だっけ、って画家のデイビッドですね。普段は割とおとなしめの服装で、あまり着飾ってる感がないからイメージが湧かない。パーティで会った時に見たからだろうか。

殴られた後、目を覚ますシーンでも、デイビッドを孔雀って言ってるのはオリヴァ夫人だけで、彼女が勝手に名付けただけだから、他の人は訳が分からないよね。殴られて頭がおかしくなってると思われてる。ポワロは知ってるから「彼女はいつもこうです」と説明(笑)

 

オリヴァ夫人、上階でパーティやってて「煩くて仕事にならないから自分も参加した」って。こういうの普通のことなのかな。

 

それにしてもノーマは大変な人生ですね。

幼い時に母親が自殺、見つけたのは自分だし、彼氏はルームメイトと浮気してるっぽいし、自分は殺人容疑で逮捕されるし、ラストには父親のキツイ一言を聞かされるし(>_<)

 

アパートで殺されたシーグラムさんはノーマの乳母だったんですね。相手の精神の混乱を利用して殺害したと信じ込ませ、罪を着せるのは危険な方法だとは思いますが・・・。強運の持ち主、ということでいいのか。

昔はノーマの家庭教師で、現在は学校を運営しているバタスビー校長。脇役だと思ってたら、まさかの重要な鍵を握る人物だったとは。

 

切ない話ですね~。シリーズも終盤に差し掛かってきた雰囲気も重なって余計に。

 

【メモ】

peacock:(特に雄の)孔雀。

pea-:孔雀

cock:雄鶏

雌は「peahen」

動詞で「着飾る」